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ゼラチンの機能性について初めて本格的なヒト介入試験を実施/森永製菓

森永製菓株式会社は、ゼラチンの機能性について初めて本格的なヒトでの介入試験を行い、ゼラチンの摂取を継続することによる肌弾力の保持など新たな研究結果を得ました。

研究の結果、冬から春に向かう 1 月中旬~3 月中旬の環境変化の厳しい季節の 8 週間に「ゼラチン」を摂取した 55~65 歳の健康な女性において、季節変化による肌の弾力変化を抑えることが測定機器を用いた分析で示されました[図 1]。また、体感を数値化するアンケート法を用いて調査した結果、「ゼラチン」の摂取を継続することによって、改善したと感じる項目が複数あることが分かりました[表 1]。

■研究概要
ゼラチンは生体の構造や機能を保つうえで重要なタンパク質であるコラーゲンから作られます。コラーゲンは特に骨の強度や皮膚の弾力性を保つうえで重要なことが示されていますが、これまでヒトで科学的に検証した研究はほとんど報告がありませんでした。

同研究では、コラーゲンである「ゼラチン」とプラセボとして炭水化物である「デキストリン」を摂取した場合に肌の機器測定結果や被験者自身の体感に改善がみられるのかを検証し、「ゼラチン」の新たな機能性食材としての可能性を評価する事を目的としました。

55~65 歳の健康な女性 40 名をゼラチン群(ゼラチンを摂取したグループ)と炭水化物群(デキストリンを摂取したグループ)の 2 グループに分け、それぞれ内容がわからないように包装した試験食品の顆粒 5g/包を一日に朝と夜の 2 回、8 週間毎日摂取していただきました。摂取方法は、コーヒーやスープなど、好みの飲み物に溶かして全量を飲み切るようにしていただきました。

機器測定とアンケートは摂取開始前、摂取開始 4 週後と 8 週後に実施しました。機器測定の結果、信頼できる測定結果が得られ、肌弾力の指標とされる R7 の値が 0.3 以上の普通肌の被験者(ゼラチン群の 9 名と炭水化物群の 8 名)を統計的に解析しました。その結果「炭水化物」を摂取した群では開始前から 8 週後にかけて R7 の値の平均値に低下がみられ、「ゼラチン」を摂取した群では値の低下が抑えられ、「炭水化物」群との群間比較では 4 週後に維持傾向(P =0.06)、8 週後の時点で明らかな低下抑制(P<0.05)が認められました。[図-1]

また、Visual Analogue Scale (VAS)法を用いた主観的アンケート評価により「ゼラチン」群では「炭水化物」群との群間比較で 4 週後に「肌荒れ・にきび・吹き出物が減った」とする項目の変化量が明らかに(P <0.05)改善。8 週後には「肌の張り」、「化粧ののり」についての変化量が改善傾向(P =0.09)、(P =0.18)を示しました[表-1]。ゼラチンの原料には、魚由来、豚由来などがあり、それぞれタンパク質を構成するアミノ酸の構成比率などが異なります。今回の試験は牛由来原料である「ゼラチン」による作用であり、他の「ゼラチン」に同様の作用が期待できるのかは同研究ではわかりませんでした。

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■試験設計
【試験デザイン】
ランダム化 2 重盲検並行群間試験

【試験対象者】
健常成人ボランティア(女性 40 名)
年齢分布 55~65 歳

<除外基準>
1.食物アレルギーのある方
2.花粉症の症状が予想される方
3.以前、サプリメント等を服用し体調に不調を感じたことがある方
4.糖尿病、高コレステロール血症の診断を受けた方
5.病気・怪我等で通院・治療中の方(高血圧で治療が安定している方を除く)
6.過去 1 ヶ月以内にコラーゲン、ヒアルロン酸などサプリメントやドリンク等を服用した方
7.喫煙習慣のある方
8.1 年以内に顔面のレーザー治療やピーリング処置を受けた方
9.定期的にエステに通われている方、または、通う予定のある方
10.試験期間を通じて、日焼けをする予定(海外旅行など)がある方

【試験期間】
2018 年 1 月中旬~3 月中旬の 8 週間

【試験食品】
1. 試験食品:粉末ゼラチン
原材料 : ゼラチン エネルギー:18 kcal

2. 対照食品:粉末デキストリン
原材料 :デキストリン(でんぷん加水分解物)エネルギー:19 kcal

【試験食品または対照食品の摂取法】
用法:毎日、朝と夜の 2 回、好きな時間に 1 袋 5gを、コーヒー、スープ類などに溶かし、飲みきっていただく。溶かす飲み物は自由な方法で摂取していただく。

【機器測定】
キュートメーター 2 回測定 (左目じりと鼻下の交点、測定 2 回の平均値)

【結論】
肌弾力の指標とされる R7 の値が 0.3 以上の普通肌 の被験者を統計的に解析した結果、「炭水化物」群との群間比較では、「ゼラチン」群で、4 週後に R7 値の維持傾向(P=0.06)、8 週後の時点で明らかな有用性(P<0.05)が認められた。また、VAS 法を用いた主観的アンケート評価により「ゼラチン」群では「炭水化物」群との群間比較で、4 週後に「肌荒れ・にきび・吹き出物が減った」とする項目の変化量が明らかに(P<0.05)改善。8 週後には「肌のハリ」、「化粧ののり」についての変化量が改善傾向(P=0.09)、(P=0.18)を示した。
統計解析 student’s t-test

【文献】
コラーゲンペプチド摂取による肌水分蒸散へ及ぼす効果-ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間
比較試験- 山本 貴之ほか Jpn Pharmacol Ther 2018 46(5)849-55

【 詳細は下記URLをご参照ください 】
森永製菓株式会社  2018年9月7日【PDF】発表
森永製菓株式会社  ホームページ

 

 

2018年09月07日 17:43

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