主婦と生活社(東京都中央区)はこのほど、「ゆずが効く」(1,260円・税込)を出版した。古くから健康効果が知られるゆずについてのさまざまななトピックが、食品医学に詳しいドクターにより、具体的に分かりやすく綴られている。
もうすぐ冬至(12月22日)。日本では古来より、冬至の日にゆずの湯に入る風習がある。入ると風邪を引かないなどといわれ、健康にいいことが広く知られている。同書では、そうしたゆずのさまざまな健康効果を生姜博士としても知られる食品医学研究所所長で医学博士の平柳要氏が解説する。
なんとなく健康にいい程度のイメージのゆず。平柳氏は、このゆずがメタボリックシンドロームや認知症の予防に役立つと明かす。その有効成分は、ヘスペリジン、ナリンギン、オーラプテンの3つ。これらが他の柑橘系フルーツよりも豊富に含まれるため、ゆずが健康食としてすぐれるという。
その他、美肌効果や血液サラサラ効果、ストレス緩和、冷え性改善…など、ゆずパワーを科学的解説を交え、次々披露する。さらに氏に寄せられた相談や氏が提唱する「ヒラヤナギ式ゆず健康法」実践者の体験談なども公開し、ゆずの力を余すことなくしたためている。
食品としても日本料理を引き立てる食材として、幅広く活用されているゆず。読み進むと、つい恋しくなってくるが、巻末には「ゆずレシピ」がしっかりと掲載されている。ゆず紅茶、ゆず酒、ゆずいなりずし、ゆずバター…など、ゆずの魅力を引き出すレシピが満載。読後には、まだそうでない人も“ユズラー”となりそうな、ゆずの全てが凝縮された一冊だ。