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2021年上市期待素材「藤茶エキス」のダイエット作用に関する論文受理/オリザ油化

オリザ油化株式会社(本社:愛知県一宮市、代表取締役:村井弘道、以下「オリザ油化」)は、2021 年 10 月に内臓脂肪減少、脂肪吸収抑制などのダイエット作用および肝臓保護作用を訴求点とする新製品「藤茶エキス」を上市している。同社では「藤茶エキス」の科学的エビデンスを学術的に認められたものにすべく、名立たる科学雑誌である「Molecules」に論文投稿し、2022 年 1 月 13 日に受理された。

藤茶は、ブドウ科ノブドウ属の植物で、古くから中国貴州の少数民族が愛用しており 600年以上もの飲用の歴史がある(図 1)。藤茶はフラボノイド類(アンペロプシン、図 2)を多く含み、他のお茶と比較してカフェインを含まない特徴を持つ、健康的な食品素材である。

今回、論文化された研究は、「藤茶エキス」のダイエット作用を動物試験と細胞試験によって実証したもの。動物試験では、高脂肪食飼育したマウスにおいて、「藤茶エキス」を投与したマウスでは、コントロール群と比較して体重、肝臓重量、内臓脂肪(副睾丸脂肪および腎周囲脂肪)の増加が顕著に抑制されたことがわかった(図 3、表 1)。そこで、ダイエット作用のメカニズムを調べたところ、「藤茶エキス」は肝臓の CPT1A※1 の活性を高めることで体内に吸収された脂肪酸の燃焼を促進することがわかった(図 4)。

次に、脂肪吸収抑制作用を調べるためにオリーブ油負荷試験を実施した結果、「藤茶エキス」を投与したマウスでは、コントロール群と比較して血中トリグリセリド(TG)の上昇を抑制する作用が認められた(図 5)。さらに、アルコール食で飼育したマウスにおいて、「藤茶エキス」を投与したマウスでは、コントロール群と比較して血中アルコール、GOT※2 および GPT※3 の濃度増加が抑制された(図 6)。このマウスについて、肝臓中 TG 濃度を測定した結果、肝臓への脂肪蓄積抑制作用が認められた(図 7)。この作用はクルクミンよりも強かった。そこでそのメカニズムを調べたところ、「藤茶エキス」は肝臓の ALDH2※4 の活性を高め、CYP2E1※5 の活性を抑制することが分かった(図 8)。この結果より、「藤茶エキス」は脂肪による肥満だけでなくアルコールによる肥満や肝機能へのダメージを抑制することが明らかになった。

また、細胞試験では、脂肪を蓄積させた 3T3-L1 脂肪細胞※6 に「藤茶エキス」を添加したところ、脂肪蓄積抑制作用、脂肪分解作用を示した。さらに、ラットから脂肪組織を取り出して培養した際、「藤茶エキス」を添加した場合はコントロールと比較して、TG が分解される際に検出される遊離脂肪酸とグリセリンの量が有意に増加した(表 2)。この結果より、細胞試験においても「藤茶エキス」の脂肪分解促進作用が認められた。

以上の結果から、藤茶エキスには脂質の吸収抑制、代謝促進、分解促進によるダイエット作用が認められ、学術論文として公開される運びとなった(図 9)。オリザ油化では今後、今回の研究結果を基礎データとして、「藤茶エキス」について機能性表示食品対応素材としてのアプローチを強化していく予定である。

<用語解説>
※1 CPT1A:体内に吸収された脂肪酸を基にエネルギーを産生する ”β 酸化反応” に関わる酵素。(カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ 1A)

※2 GOT:本来肝臓内にある酵素だが、肝細胞が壊れると血中に流出するため肝臓障害マーカーとして用いられている。(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)

※3 GPT:GOT と同様,肝細胞が壊れると血中に流出するため肝臓障害マーカーとして用いられている。(グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ)

※4 ALDH2:アルコールが体内で代謝されてできるアセトアルデヒドを分解する酵素。(アルデヒドデヒドロゲナーゼ 2)

※5 CYP2E1:アルコールを体内でアセトアルデヒドに変換する酵素(シトクローム P4502E1)。変換の際に活性酸素を生成するため肝機能障害の原因となる。

※6 3T3-L1 細胞:抗肥満作用を評価する実験系で広く用いられる細胞

<発表論文>
掲載誌:Molecules(インパクトファクター:4.412@2021)
論文名:The Anti-Adiposity Mechanisms of Ampelopsin and Vine Tea Extract in High Fat Diet and Alcohol-Induced Fatty Liver Mouse Models
著者:呉 剣波、宮坂 賢知、山田 和佳奈、竹田 翔伍、清水 稔仁、下田 博司
所属:オリザ油化株式会社


【詳細は下記URLをご参照ください】
オリザ油化株式会社   2022年1月31日【PDF】発表
オリザ油化株式会社   公式サイト

2022年02月01日 16:22

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