九州大学の研究チームが「植物性乳酸菌 OS-1010」の機能性と作用メカニズムに関する論文を発表
植物性乳酸菌 OS-1010
大阪ソーダと九州大学は、乳酸菌体の機能性を調査する共同研究を行っております。このたび、同社が開発・製造する「植物性乳酸菌 OS-1010」の機能性とその作用メカニズムに関する研究の成果が、九州大学大学院農学研究院 生命機能科学部門 システム生物工学講座 細胞制御工学分野 片倉喜範教授の研究チームによって明らかにされ、国際学術誌Cytotechnologyオンライン版に学術論文が掲載されました。
九州大学が発表した論文によると、腸管細胞に「植物性乳酸菌 OS-1010」を加えることで得られたエクソソーム(※1)が、筋肉細胞のミトコンドリア(※2)の数と面積を増やし、かつミトコンドリア活性を向上させることが示されました。
また、そのメカニズムとしてエクソソームに含まれるmiRNA(※3)の関与が示唆されており、乳酸菌が腸管細胞のエクソソームを介して筋肉細胞に作用することを初めて示した研究報告となります。
今後、同社は植物性乳酸菌 OS-1010の美肌、抗肥満、筋力維持などの美容・健康に関する機能性研究をさらに進め、健康寿命の延伸に寄与する素材の開発を目指してまいります。
■用語補足
(※1)エクソソーム
細胞から分泌される細胞外小胞の一種です。miRNAやタンパク質などを内包し、細胞間の情報伝達において重要な役割を果たしていると考えられています。
(※2)ミトコンドリア
ヒトのほぼすべての細胞に存在し、体内でエネルギーを産生する重要な働きを担っています。ミトコンドリアは加齢に伴い機能低下することが知られており、私たちの美と健康を守るうえで重要な細胞内小器官です。
(※3)miRNA
miRNAは20基前後の1本鎖RNA分子であり、遺伝子転写後の発現調節において重要な役割を担っています。
■研究成果(要約)
- 植物性乳酸菌 OS-1010の加熱殺菌体が、腸管細胞から分泌されるエクソソームを介して筋肉細胞のミトコンドリアの数と面積を増加させ、ミトコンドリアの活性を向上させることが示されました。また、このエクソソームによって、ミトコンドリア生合成に関わる因子やミトコンドリア遺伝子の転写調節因子の発現が促進されることが示されました。
- OS-1010を加えた腸管細胞から分泌されたエクソソームでは、長寿やアンチエイジングのシグナル伝達経路に作用するmiRNAも有意に増加しました。
- 同研究は、乳酸菌が腸管細胞のエクソソームを介して筋肉細胞に作用するということを示した初めての研究報告となります。
- また同研究によって示された作用メカニズムは、食品として摂取したOS-1010が腸管細胞に作用することで、筋肉細胞だけでなく肌の細胞などの様々な細胞を活性化させる可能性を示唆しています。
■論文情報
Fructobacillus fructosus OS-1010 strain stimulates intestinal cells to secrete exosomes that activate muscle cells
植物性乳酸菌 OS-1010とは?
植物性乳酸菌 OS-1010は、2020年に当社が産学共同研究において発見した乳酸菌です。
Fructobacillus fructosusの菌株の1つであるOS-1010は、NMN(ニコチンアミノモノクレオチド)を産生して菌体内に蓄積できるという、乳酸菌としては非常に珍しい特徴を有しています。当社の独自技術により、さまざまなサプリメントや加工食品に利用可能な加熱殺菌粉末として製品化しました。
株式会社大阪ソーダ 2024年3月28日 発表
株式会社大阪ソーダ 公式HP