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「新3カ年計画」(2015年度~2017年度)について/資生堂

株式会社資生堂は、今年度からスタートする「新 3 カ年計画」(2015 年度~2017 年度)を策定しました。昨年末に策定した中長期戦略「VISION 2020」の実現に向け、最初の 3 カ年となる 2015 年度~2017 年度を「事業基盤再構築の期間」と位置づけ、国内外それぞれの事業の構造的課題を徹底的に解決すると同時に、積極的なマーケティング投資を伴う成長戦略を実現することで、次の3 カ年(2018 年度~2020 年度)での持続的な成長を加速させていきます。

【2015 年度~2020 年度の中長期戦略「VISION 2020」について】
「動け、資生堂。」をメインテーマに据え、2020 年度までに「成長エネルギーが充満した会社」「若々しさがみなぎる会社」「世界中で話題になる会社」「若者があこがれてやまない会社」そして「多様な文化が混じりあう会社」となることを目指し、「お客さま起点」で全ての事業活動を再構築し企業価値を高めていきます。定量的な目標として、2020 年度の連結営業利益を 1,000 億円超、ROE を 12%以上と定めました。これらの目標を達成するために、連結売上高は 1 兆円超まで引き上げることを目指します。

◎新 3 カ年計画(2015 年度~2017 年度)の位置づけと目標
新 3 カ年計画では、将来に向けた持続的成長を確かなものとするため、「日本 No.1 シェアに向けた基盤づくり」「グローバル成長の加速」「中国事業の再建」に重点的に取り組みます。これらを実現するために共通する戦略ポイントは「骨太のブランド育成」「成長分野への大胆な投資」「現場直結の組織」です。同時に、これらの実現のための原資を確保するべく、全社構造改革にも取り組みます。この 3 カ年計画では、日本を収益基盤に、海外を成長ドライバーと位置付け、最終年度である 2017 年度には、連結売上高 9,000 億円超、営業利益 500~600 億円、ROE は 9~10%を目指します。
◎新 3 カ年計画で取り組む重点戦略

(1)日本 No.1 シェアに向けた基盤づくり
■骨太のブランド育成
社会や消費活動が多様化し、自身の選択眼で消費を行う“アクティブコンシューマー”が一層存在感を増しています。同社では、そのようなお客さまのニーズに応え、お客さまとつながり、愛され続けるブランドを作ることが重要であると考えています。お客さまの求める価値をベースに、ポートフォリオ上で重なり合うブランドやお客さまニーズの低いブランドを整理・統合することで、幅広いお客さまのニーズに応えつつ無駄のない投資を実現し、「お客さま起点」を徹底することで、強いブランドづくりを進めます。 これに向け、ブランド改廃ルールの明確化を行うなどブランドのライフサイクルマネジメントを徹底し、一定の売上規模と収益性をクリアし続けるブランドを集中的に育成していきます。併せて、同社のこれまでのブランドではカバーしきれないお客さまのニーズにお応えするために、M&A によるブランドの取得も検討していきます。成長市場であるEC領域においても、自社サイトである「watashi+」(ワタシプラス)を中心に、お取引先さまのECサイトや、EC 大手企業との連携を強化し、売上拡大を目指します。

◎ビューティーコンサルタント(BC)の新規採用の拡大と正社員への登用
現在同社では、店頭で応対接客を行う BC が、国内で約 10,000 名活動しています。お客さまと商品を結び、直接お客さまと触れ合うことのできる BC は、お客さま起点のブランド強化を進める上で、同社にとって欠かすことのできない重要な存在です。そこで、店頭でのお客さま応対力を一層強化することを狙いに、BC の採用と登用を以下の通り拡大することとしました。まず、2016 年度の新規採用(2016 年 4 月入社予定)を全国で 500 名程度に拡大します。BC の若年層の拡大により、同世代のお客さまへの対応力を強化するとともに、組織活性化を実現します。併せて、現在在籍する契約社員(約 2,000 名)についても登用試験を行い、2016 年 4 月から正社員への登用を進めます。これにより、BC の責任感やモチベーションをこれまで以上に高め、美容技術と応対力を十分に発揮できる環境を整えていきます。

(2)グローバル成長の加速
■マトリクス新組織体制に移行
2016 年度からの本格稼働をめざし、2015 年度から、ブランド軸と地域軸のマトリクス新組織体制への移行を開始します。“Think Global, Act Local(グローバルな目線でものを考えながら、現地・現場に密着した活動を進める)”の考え方のもと、強いブランドを育成し、各エリアに適したマーケティングを実行します。具体的には、お客さまとの接点タイプ別に、同社の事業をプレステージ、コスメティクス、パーソナルケア、プロフェッショナルなどのブランド事業に区分し、さらに全世界の地域・市場を日本、中国、アジア、米州、欧州、トラベルリテールのエリアに区分した上で、それぞれの領域で最大のパフォーマンスを発揮できる最適な組織体制を構築していきます。加えて、地域のニーズや事業環境に密着し、事業活動の全てについて責任と権限を持つ「地域ごとの本社」を作る「地域本社制」を導入し、日本、中国、アジア、欧州、米州に設立します。これにより、現地で研究開発、商品開発、マーケティング、営業活動を完結できる体制を構築していきます。その一環として、国内では2015年4月より、これまで本社と販売会社に分かれて存在していた商品開発やマーケティング、営業の機能を集約化して日本 RHQ(地域本社)としていきます。

■トラベルリテール(TR ※)事業の拡大
今後、成長ドライバーとなるTR市場においても、更なる売上成長を目指します。具体的には、化粧品カウンター投資の拡大、店頭で接客を行う BC の増員およびトレーニング強化、TR 専用商品の開発などに取り組みます。2015 年4月には、アジアを中心とする海外旅行者との接点拡大を狙いに、成田国際空港の第1・第2 ターミナルに続き、第3ターミナルに新設された免税店にも、同社化粧品コーナーを展開するなど、インバウンドを含む TR 事業の拡大も目指します。(※ TR:空港などの免税店において海外旅行者向けに商品を販売する事業)

(3)中国事業の再建
最重点市場である中国では、お客さま起点のブランドポートフォリオ再構築や、事業構造の徹底した見直しを行い、2014 年度には流通在庫適正化を実施するなど、着実に事業の再建を進めています。中国 RHQ(地域本社)体制への移行や、現地社員の幹部登用拡大などによる現地化を進め、厳しい市場競争にスピード感を持って意思決定できるよう、大規模な組織再編を行っています。また、展開するブランドのポジショニングを明確にし、R&D の段階から現地化した中国発の商品の開発を行うなど、現地でのブランド力強化に集中して取り組んでいます。更に、エリアに密着した営業体制に刷新し、お客さまとの接点となる店頭 BC についても、美容知識や応対技術の向上によって競争力を強化していきます。EC などデジタル事業の拡充や、マーケティング投資のための構造改革の推進についても着実に実行し、事業の立て直しと将来の更なる成長を確かなものとしていきます。
◎重点戦略実現のための基盤強化に向けた取り組み ■研究開発分野における投資拡大と人員の増員
研究開発においては、革新的な製品開発を実現するための基礎・基盤研究の強化とともに、マーケティングとの連動・融合を図ります。研究開発費用を、2017 年度までに 2014 年度対比で 40%増加させ、全世界の研究所の人員を、2020年度までに現在の約1,000名から 1,500名まで増員します。また、研究開発分野においても現地化を進めるべく、日本、中国、東南アジア(タイ)、ヨーロッパ(フランス)、アメリカの各研究所において、より地域に密着した研究体制の確立と規模の拡大を図り、国・地域別にお客さまのインサイトを捉えた商品開発やマーケティングとの連携を強化していきます。

■グローバルイノベーションセンター(仮称)の設立
一方で、将来の成長を支えるための基礎・基盤研究の拠点は、引き続き同社のオリジンである日本に置き、この分野を徹底的に強化していきます。このための新たな研究拠点として、化粧品会社として世界最大級の規模となる「グローバルイノベーションセンター(仮称)」を横浜・みなとみらい 21 地区に設立することとしました(2018 年末に稼働開始の予定)。ここにダイバーシティに富んだ研究開発人材を集め、オープンイノベーションを促進し、世界中の叡智を結集することで、新たなイノベーションの創出を加速します。また、お客さま、マーケター、研究員などが直接交流し、新たな価値づくりに取り組む都市型オープンラボとして、開かれた研究の形を具現化する場としていきます。

■お客さま向けマーケティング強化
お客さま起点のマーケティング強化を実現するため、この 3 カ年累計で 1,000 億円超のマーケティングコストを増加させます。売上成長を加速するため、投資ブランドの選択と集中を行い、マーケティング投資の質を一層高めます。具体的には、店頭の整備や化粧品サンプル、広告宣伝など、お客さまに直接届くマーケティング投資に加え、研究開発投資等に振り向けていくことで、売上成長を確実なものとしていきます。■構造改革による投資原資の捻出これら研究開発投資やマーケティング投資を実現するため、2014年度から着手した構造改革をより強力に世界全地域で推進します。原価、マーケティングコスト、在庫・サプライチェーンマネジメント、バックオフィスコスト、人件費・生産性の各項目の合計で、2017 年度までに 300~400 億円を捻出し、全てを投資に振り向けていきます。

◎「SHISEIDO」ブランドのイメージ強化
同社のコーポレートブランド「SHISEIDO」について、ブランドのアイデンティティーとイメージの強化を行います。まず、コーポレートロゴとしての「SHISEIDO」について、「アクティブ」「躍動感」「前向き」「エネルギーに満ちた」といった印象を強め、存在感を高めるために、デザインを変更しました。さ ら に 、 ブ ラ ン ド イ メ ー ジ 統 一 の 観 点 な ど か ら「SHISEIDO」の社名の使用範囲を、グローバルブランド「SHISEIDO」と「SHISEIDO Professional」の二つのブランドのみに限定して使用していくこととしました。これら以外のブランドについては、「マキアージュ」や「エリクシール」など、それぞれのブランド名やロゴを前面に出したマーケティングを展開していきます。

※詳細は下記URLをご参照下さい
◎株式会社資生堂 2015年4月27日発表
http://www.shiseidogroup.jp/releimg/2426-j.pdf

◎株式会社資生堂
http://www.shiseidogroup.jp/

2015年04月27日 14:57

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