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アンチエイジング医療を総括するセミナーを開催

(株)新社会システム総合研究所(本社東京、小田中久敏社長)は14日、東京・都道府県会館で「アンチエイジングの最前線に迫る」と題し、アンチエイジング研究の第一線に立つ医師らを招いてセミナーを開催した。   その中で恵比寿アンチエイジングクリニック・青木晃院長は、抗加齢医学は老化を治療しようという考えの現代西洋医学の概念で内科的スタンスが根底にあるとしながらも、実際には外科的・皮膚科的なアプローチによる美容医療がアンチエイジングを牽引してきた経緯を紹介。「消費者は結果が分かりやすいことから興味を持ちやすい。そのため、外見への興味からアンチエイジングに興味を持ち、その維持のために内科的側面に気づくことが多い」とし、より消費者が興味を持つ美容的なアプローチも欠かせないと述べた。   さらに、アンチエイジングはQOLの向上・維持が根底にあるべきとの考えから、若年層を含むより多くの人々にアンチエイジングを普及させる必要があるとし、男性に対しては外見に興味を持つなど自身のフェミニンな部分に目を向ける「メトロセクシャル」という概念を提案した。   また、青木院長は市場、医療、消費者そして国内外におけるアンチエイジングに関するタイムラグがあり、エビデンス取得には時間がかかるが、それを待っていては間に合わないのが現状だと指摘。安全性が認められるものであれば、医師側が現場で積極的にデータを蓄積していくべきとし、サプリやレストラン・メニューなどの食や運動、医療、生活、教育などを複合させたビジネス展開に期待を寄せた。   高輪メディカルクリニックの久保明院長は、アンチエイジングと機能性食品の関係を考える上で、①データはネガティブなものを含めてオープンであること、②基づく情報はアップデートであること、③異業種などとのネットワークやコラボレートにより新しいものを生み出すこと、の3点が重要になると語った。   久保院長は見解として、現在のアンチエイジングは単なるブームと指摘、その理由として、エイジングの診断プロセスが未だはっきりと確定していないことをあげた。現在、クリニックで行う「健康寿命ドッグ」で、様々な指標や64列マルチCT(心臓の血管を立体的に撮影し3次元画像に投影する診断機器)を導入するなどしている例を紹介し、「人間は複雑な構成をしている。それを一つの指標だけで診断できるわけではない。従来の指標に加えサロゲートマーカー(効果予測マーカー)などの新たな指標も設定し、それらの関連性を丁寧に調べていくことが大事」と述べた。高輪メディカルクリニックでは、様々な機能性食品のパイロットスタディを積み重ねており、これらを解析していくことで、機能性食品の評価が可能になるとした。   また、エビデンスに関しては、「サプリメントにエビデンスがないという医師は嘘つき。そのデータがネガティブかポジティブかという問題だ」と述べ、ネガティブなデータであっても公表するべきとし、それらを蓄積していくと同時に、常にアップデートな情報を収集することが大事だとした。

2005年10月31日 12:37