健康と美容のニュースなら健康美容EXPOニュース

富士化学工業 / 眼精疲労におけるアスタキサンチンの機能性の臨床結果を発表

富士化学工業(株)(本社富山県中新川群、西田光場シ社長)は先月30日、一宮西病院眼科部長・長木康典氏によるセミナー「今話題のアスタキサンチン 眼精疲労の基礎から臨床」を東京ビックサイトにて開催。アスタキサンチン摂取による眼精疲労改善の臨床研究結果を発表した。  まず眼精疲労の一因である焦点の調節力低下が、アスタキサンチン摂取により改善がみられるのかどうかを調べるため、ヒトを対象とした試験結果を報告した。  試験はパソコン操作により眼を酷使するVDT作業に1日6時間以上従事する人で眼精疲労を訴え、かつ点眼薬や健康食品を使用していない48名を対象とした。その中から無作為にアスタキサンチン6mg摂取群25名と、プラセボ群23名との2群に分け、カプセルを4週間、毎夕食後に内服。投与前後で、両眼開放屈折近点計(D’ACOMO)を用いた調節力検査を実施した。さらに自覚症状アンケートでは、眼が疲れる・眼が痛む・眼がかすむなどの11項目を0~4の5段階で評価し記入させた。  4週間後、調節力を両眼開放屈折近点計で計測した結果、プラセボ群が平均0.13竏骭0.46(D)減少したのに対し、アスタキサンチン群は平均0.40竏骭0.74(D)上昇し、有意に改善した。また自覚症状アンケートでは、摂取前後の2群間比較で「眼がかすむ」、「肩、腰がこる」の項目でアスタキサンチン群が有意に改善、「頭が重い」の項目ではアスタキサンチン群が改善傾向を示した。これにより調節力と自覚症状の改善結果が認められ、アスタキサンチンの眼精疲労改善効果が明らかとなった。  またこれまでに、富山大学眼科・藤田保健衛生大学眼科・北海道大学眼科の3大学の研究でもアスタキサンチンの調節力改善効果が報告されている。このことからアスタキサンチンの効果は間違いないものだとした。  次に、アスタキサンチンの網膜循環に及ぼす影響について述べた。36名を対象に二重盲検法を実施。アスタキサンチン6mg摂取群18名と、プラセボ群18名との2群に分け、各群カプセルを28日間、毎夕食前に摂取させた。投与前後で網膜毛細血管血流量をHRF(レーザードップラー網膜血流測定装置)を用いて測定した。  その結果、28日後にプラセボ群の網膜血流量が2.7%上昇したのに対し、アスタキサンチン群は9.9%上昇し有意な差をつけた。これによりアスタキサンチン摂取による網膜毛細血管血流量の増加が認められた。  また網膜毛細血管と同じ眼動脈から分枝した毛様体動脈も同様の血流改善効果があるものだと考えられる。毛様体動脈の血流改善により眼の焦点を調節する働きをする毛様体筋に栄養が行きわたることから、眼の調節力の改善に作用している可能性があると説明。  以上のことからアスタキサンチンの眼精疲労に対する有効性が証明され、眼精疲労を訴える人が数千万人いるといわれることから、今後需要の急増が予想されるとした。  このほか、同社が特許出願中であるアスタキサンチンの抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用などの14種類の機能性や安全性についても述べた。  同社は高品質のヘマトコッカス藻を屋内タンクで培養し、細胞壁粉砕とアスタキサンチンの抽出を同時に行うワンステップ製法により製造した天然アスタキサンチン素材「アスタリール®」を生産供給している。

2006年06月16日 10:00