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グルコサミンとコンドロイチンとケルセチンの組み合わせが膝関節痛の緩和を確認

サントリー健康科学研究所(所長:木曽良信、大阪府三島郡島本町)は、順天堂大学医学部 生化学・生体防御学講座 長岡功教授ら監修のもと、グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸(サメ軟骨抽出粉末)、ケルセチン配糖体(※1)の組み合わせが、ヒトの膝関節の痛みを緩和することを明らかにしましたので、第38回日本関節病学会(2010年11月18-19日、京都府)にて発表しました。

※1 ケルセチン配糖体

マメ科の植物「エンジュ」から抽出したルチンを原料に酵素反応を行い精製したポリフェノールの一種。特にタマネギ、柑橘類、そばに多く含まれます。抗炎症作用のほか、強い抗酸化活性も持ちます。

今回の発表演題と発表者は以下のとおりです。

▼発表演題:

“Effect of glucosamine hydrochloride,chondroitin,and quercetin glycoside-containing diet on symptom and cartilage metabolism in subjects with knee pain”

「膝関節痛に対するグルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸、ケルセチン配糖体を含有する食品の効果」

▼発表者:順天堂大学医学部 生化学・生体防御学講座  長岡 功 教授  ほか

【研究の背景】

近年、日本を含めた先進国では高齢化に伴い、加齢による変形性関節症の患者が増加しています。その中でも変形性膝関節症は、膝への荷重が他の関節と比較して大きいため発症頻度が高く、症状の悪化に伴う痛みの増加や歩行障害などを引き起こすことがあります。今回、膝関節に痛みがあるヒトがグルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸(サメ軟骨抽出粉末)、ケルセチン配糖体を含む食品を摂取することでその症状が改善されるかどうか、プラセボ対照二重盲検比較試験で検証しました。

<試験方法>

膝関節に痛みがある成人男女40名を、グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸、ケルセチン配糖体含有食品(以下、被験食品(※2))摂取群20名とプラセボ食品(グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸、ケルセチン配糖体を含まない同一形状の粒)摂取群20名の2群に分けました。それぞれについて、摂取開始前、摂取開始4週間、8週間、12週間、16週間後の膝関節の痛みを評価しました。痛みの緩和に関する効果の判定には、日本整形外科学会膝OA治療成績判定基準(JOAスコア)(※3)、VAS(Visual Analogue Scale)法(※4)を用いました。

※2 被験食品の関与成分含有量

1日あたり6粒を摂取。被験食品6粒中には、グルコサミン塩酸塩1,200mg、サメ軟骨抽出粉末300mg(コンドロイチン硫酸60mg含有)、ケルセチン配糖体45mgを含有しています。

※3 JOAスコア

変形性関節症の障害程度を医師が客観的に評価し、治療成績を判定するのに用いられています。今回の試験では、左右各膝の「疼痛・歩行能」、「疼痛・階段昇降能」、「屈曲角度および強直・高度拘縮」、「腫脹」の4項目の合計スコアにより評価しました。スコアが高いほど、痛みが改善している状態であると評価されます。

※4 VAS法

被験者の主観的現象を定量化するために用いられる手法。長さ100mmの直線の一端を「痛みなし」、もう一方の端を「これまで経験した最も激しい痛み」と設定、被験者自身が感じる痛みの程度を直線上にマークし、「痛みなし」の点を起点としてマークした箇所までの長さを測定して数値化しました。数値が低いほど、被験者の感じる痛みが緩和していると評価されます。

<結果>

 

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<考察>

今回の実験から、グルコサミン塩酸塩、コンドロイチン硫酸(サメ軟骨抽出粉末)、ケルセチン配糖体の組み合わせが、ヒトの膝関節の痛みを緩和することが明らかになりました。これにより、変形性膝関節症の悪化に伴う、痛みの増加、歩行障害などを改善することが期待されます。

▼「日本関節病学会」について

全ての関節病の病態を解明し、外科的治療、内科的治療およびリハビリテーション治療などの進歩と普及に貢献することを目的としています。第38回となる今回はメインテーマを「関節病に対する多角的アプローチ」とし、関節病制圧へ向け、基礎から臨床まで幅広く討論されました。

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