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マンダム、ユーカリ由来成分ユーカリプトールに 清涼感の不快刺激低減効果を発見

株式会社マンダム(本社:大阪市、社長執行役員:西村元延 以下マンダム)は、化粧品(医薬部外品)の機能とともに使用感の向上を目指し、人が快適と感じる様々な要素について研究しています。
その一環として、マンダムはこれまで、自然科学研究機構・岡崎統合バイオサイエンスセンターの富永真琴教授との共同研究により、皮膚の感覚刺激評価の代替法として、TRP<Transient Receptor Potential>チャネル(※参考資料「感覚刺激のメカニズム」参照)を用いた評価法を確立し、これにより定量的な刺激評価が可能となりました。

そして今回、このTRPチャネルを用いて、ユーカリ由来成分ユーカリプトール(Eucalyptol)に、不快刺激を引き起こさない快適な清涼効果を見出すとともに、その他の清涼成分により引き起こされる不快刺激についても、低減させる効果を発見しました。
マンダムは、今後も清涼感に関し、生活者が快適に使用できる製品への応用を見据え、技術の深化を図っていきます。

なお、この研究成果について、2011年9月14日~17日に開催された「日本神経科学学会」、及び2011年12月12日~12月14日に開催された「第21回 国際化粧品技術者会(IFSCC)」において発表を行いました。

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1. 強い清涼感に伴う不快刺激
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近年、猛暑や節電による暑さ対策として「爽快感」「冷感」を訴求した清涼化粧品が多く発売されています。この「爽快感」「冷感」を与えるため、?-メントールなどの清涼成分を配合した製品や、エタノールやガスの気化熱により体表の温度を下げ、冷感を与えている製品などがあります。
清涼成分として代表的な?-メントールは、現在多くの清涼化粧品に配合されています。?-メントール以外にも様々な清涼成分が開発されていますが、より強い清涼感を実現するためには、?-メントールは欠かせません。しかし、この?-メントールは多量に配合すると灼熱感を引き起こし、不快感に繋がります。
マンダムは、生活者にとって不快感の少ない快適な清涼感を追求した清涼成分の研究に取り組みました。

 

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2. 不快刺激を伴わない快適な清涼成分ユーカリプトール
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これまでに、?-メントールによる清涼感について、清涼感が強い場合に同時に感じられる灼熱感は、TRPチャネルにおけるワサビやカラシの辛み成分の受容体であるTRPA1と関与していることが報告されています。そのため、?-メントールを高濃度配合するとTRPA1を活性化し、不快刺激を与えてしまいます。また、清涼感はTRPM8が関与していることが報告されています。マンダムでは、この2つのチャネルを用いて、より不快感が少なく清涼感のみを与える成分の探索を行いました。その際、?-メントールによるTRPM8の活性とTRPA1の活性の比率を基準とし、この比率を快適さの指標としました。
この比率が高いことは、不快感が少なく、清涼感が強いということを表します。この快適さの指標に基づき、様々な成分のスクリーニングを行った結果、ユーカリ由来の天然成分であるユーカリプトールを見出しました(図 1)。
このユーカリプトールについて詳しく解析を行ったところ、ユーカリプトールはTRPA1を活性化せず、TRPM8のみを活性化することを明らかにしました。また、TRPA1以外にも、活性化することで不快刺激を引き起こすセンサーとして知られるTRPV1やTRPV2に対しても、ユーカリプトールは活性化させないことを明らかにしました(図 2)。つまりユーカリプトールは、不快な刺激を与えることなく、清涼感のみを与える成分であると言えます。

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3. ユーカリプトールでの不快刺激の低減効
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さらなる解析から、ユーカリプトールにはTRPA1の活性を抑制する効果があることを、マンダムが初めて見出しました(図 3)。?-メントールを高濃度配合するとTRPA1を活性化するため、不快刺激を与えてしまいますが、ユーカリプトールを配合することで、?-メントールの不快感を低減させることが可能になるということを、マンダム独自の清涼感評価にて確認しました(図 4)。これまで?-メントールにより強い清涼感を与えるためには、一方で灼熱感のような不快感がそれに比例して高まっていましたが、ユーカリプトールを配合することにより、より強い清涼感を与えながらも、不快感を低減させることができると考えられます。
4. より心地よい清涼感の実現に向けて
TRPA1とTRPM8を同時に活性化する?-メントールの効果を「シャープ」な清涼感とするなら、TRPA1を活性化せず、TRPM8のみ活性化するユーカリプトールの効果は「マイルド」な清涼感をもたらすと考えられます。これにより、?-メントールとユーカリプトールのバランスを調整することで、清涼感の強さだけでなく、刺激のコントロールが可能であると考えられ、生活者の清涼感に対するそれぞれウォンツに対し、より満足感の高い製品提案の可能性を見出しました。
今後、この新規清涼成分ユーカリプトールを、より快適な清涼感を有する製品の開発に活用していきます。

※参考資料
<感覚刺激のメカニズム>
近年の研究により、「TRPチャネル」と呼ばれる化学物質や温度を感知して電気信号に変換する「センサー」が皮膚の神経に存在し、このTRPチャネルが感覚刺激受容に関与していることが明らかになってきました。このTRPチャネルは化粧品を使用した際の不快な感覚「ピリピリ」、「ヒリヒリ」にも関与していることがマンダムの研究により解明されてきています。
清涼化粧品における「清涼感」にもTRPチャネルが関与しており、冷たさを感じるセンサーであるTRPM8を活性化させます。清涼化粧品の多くに配合されているメントールが清涼感を感じるのはこのTRPM8を活性化するためだと言われています。また、この?-メントールは高濃度だと不快な刺激を与えますが、この刺激もTRPチャネルが関与しており、ワサビの主成分により活性化されるTRPA1の反応により引き起こされます。TRPA1はヘアカラーや防腐剤、多価アルコールに特有の「ピリピリ」「ヒリヒリ」とした刺激にも関与しています。

マンダム 公式サイト  http://www.mandom.co.jp/

2012年03月09日 16:29

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