カゴメ株式会社総合研究所(栃木県那須塩原市)は、鈴鹿医療科学大学薬学部(三重県鈴鹿市)佐藤英介教授との共同研究で、動物試験において運動前または中間でのトマトジュースの摂取が、運動後の疲労の度合いの指標(疲労バイオマーカー)の増加を抑制することを明らかにしました。運動前または中間でのトマトジュース摂取によって疲労軽減効果が期待されます。なお、本研究内容は2012年度日本農芸化学会(3月22日-26日、京都女子大学)において発表しました。
■共同研究者 鈴鹿医療科学大学 佐藤英介教授のコメント
今回の試験によって、運動前または中間でのトマトジュースの摂取により、運動後の血中疲労バイオマーカーの増加が抑えられることが明らかとなりました。この結果より、運動の前や合間にトマトジュースを飲むことで運動疲労の軽減が期待できます。今後はトマトジュース中の有効成分の特定を行ってまいります。
■研究の背景
健康長寿のためには、適切な食生活と適度な運動が重要です。しかし過剰な運動は酸化ストレスや疲労による障害を招きます。トマトには抗酸化物質であるリコピンや各種ビタミン、ミネラル、有機酸など多くの栄養成分が含まれており、酸化ストレスや疲労による障害の軽減が期待できます。同社ではこれまでにヒトにおいて、中程度の運動時にトマトジュースを摂取することで、運動中の乳酸の代謝が改善され、疲労感の軽減が期待できることを示してきました
各種疲労においては、生体内での炎症や疲労の伝達に関与する物質であるサイトカインやホルモンの増加との関連が知られています。これらの物質は、運動など肉体的な疲労の他、眼に強制的に光を当てるなどの精神的な疲労においても顕著に増加することが知られており、疲労バイオマーカーとされています。本研究では、トマトジュースの摂取が運動疲労に与える影響をより詳細に検討するため、マウスを用いた試験により、トマトジュースおよびその上清の摂取が疲労バイオマーカーに与える影響と効果的な摂取タイミングについて検討しました。
■研究概要
≪目的≫
本研究では、トマトジュースの単回摂取が運動後の疲労に与える影響ならびに疲労軽減のために効果的な摂取タイミングを明らかにすることを目的とし、運動前、運動中間、運動後のいずれかのタイミングでマウスにトマトジュースまたはその上清を摂取させ、運動後の疲労バイオマーカーの濃度を測定しました。
≪内容≫
マウスを表1の3群に分け、ベルトコンベア状の走行装置(トレッドミル)で合計1時間の走行運動をさせ、運動6時間後の血中のサイトカイン、ホルモンを測定しました。試験飲料は図1に示すように、(1)運動前(2)運動中間(3)運動後のいずれかのタイミングで投与しました。
※リリースの詳細は関連資料をご参照ください
【関連資料】
◎リリースURL/PDF
http://www.kagome.co.jp/company/news/2012/07/001381.html
◎カゴメ株式会社:公式サイト
http://www.kagome.co.jp/