日立製作所は、このたび、効果的な減量プログラムとして開発された「はらすまダイエット」の手法を活用して、食事や運動といった生活習慣の改善や減量に向け健康増進を図ることで、将来の生活習慣病などを予防するといった、企業における「健康経営*1」の実現を支援するサービスをクラウド(SaaS型*2)で提供する「はらすまダイエット/生活習慣改善」(以下、本サービス)を開発し、6月3日から提供を開始します。
日立は、特定保健指導*3に準拠したサービスとして、2009年から「はらすまダイエット/特定保健指導」を、企業の健康保険組合などの公的医療保険の運営主体に提供を開始し、これまでに200団体以上に採用されています。本サービスは、「はらすまダイエット/特定保健指導」のノウハウを活用し、公的医療保険加入者の中でメタボリックシンドローム*4(内臓脂肪症候群/以下、メタボ)と診断されていない従業員のほか、特定保健指導の対象外である40歳未満のメタボ、ならびにその予備群の従業員を対象に、効率的かつ継続的な生活習慣の改善や減量を支援します。
企業は本サービスを導入することで、従業員の健康増進を促す福利厚生サービスが提供できます。また、従業員の生活習慣病への発症リスクの低減につながることで、将来の業務への影響リスクの低減や医療費の削減といった効果が期待できます。なお、本サービスはSaaS型で提供するため、企業は新たなシステム構築やサーバの設置が不要となり、初期投資や運用コストを低減しつつ、迅速に導入ができます。
*1健康経営:企業の持続的成長を図る観点から従業員の健康に配慮した経営手法のことであり、従業員の健康が企業にとって不可欠な資本であることを認識し、従業員への健康情報の提供や健康投資を促す仕組みを構築することで、生産性の低下を防ぎ、医療費を抑えて、企業の収益性向上をめざす取り組み
*2SaaS型:サーバ上で稼働させたソフトウェアの機能を、ネットワークを通じて利用できるサービスとして提供する形態のこと
*3特定保健指導:メタボリックシンドロームが、生活習慣病の大きな一因になっているという学説に基づき、40歳以上のメタボリックシンドローム該当者や予備群に生活習慣の改善を指導することを目的として実施する保険制度
*4メタボリックシンドローム:内臓脂肪型肥満(男性の腹囲85cm以上、女性の腹囲90cm以上)、かつ、高血糖、高血圧、糖質異常の3項目中2項目以上基準値を超えた状態.
近年、「健康経営」という概念が注目を集めています。社会保障負担の増大などを背景に、従業員の健康を大切にし、会社の収益性を高める「健康経営」は日本でも注目されており、多くの企業では特定保健指導を活用し、従業員の生活習慣病の予防に向け生活習慣病の要因となるメタボの改善に取り組んでいます。生活習慣病は中高齢者層で発症のリスクが高まっておりますが、このような背景から、特定保健指導の対象外である若年層の早期の段階から生活習慣の改善に取り組み、健康的な生活習慣を身に付けることが重要となっています。
なお、日立社内では、従業員への特定保健指導、ならびに、メタボやその予備群を含めた若年層などの幅広い年齢の従業員を対象に、生活習慣の改善を促す施策として「はらすまダイエット」を活用し、高い効果があることを実証しています。
本サービスを利用する従業員は、付与されるIDを使い、PCやタブレット、携帯電話/スマートフォンなどから「はらすまダイエット」の専用Webサイトへログインします。専用Webサイトにて、減量につながる食事や運動のメニューの選択や目標体重の設定などを行います。そして、「はらすまダイエット」の特長の一つである食事や運動などの減量メニューを100kcal単位で示した100kcalカードを自ら選んで毎日実行し、その実施状況と朝晩の体重を専用Webサイトに登録し、90日間で体重の5%を減量し生活習慣の改善に取り組みます。なお、企業に管理栄養士などの指導者がいない場合でも、本サービスでは「はらすまダイエット/特定保健指導」を用いた特定保健指導で豊富な経験のある管理栄養士が、従業員へ減量や生活習慣の改善に関するアドバイスをメールで提供します。さらに、従業員も管理栄養士へメールで相談することが可能なため、従業員は管理栄養士の適切なアドバイスのもと、効率的に減量や生活習慣の改善を行うことができます。
日立は、従来から提供している「はらすまダイエット/特定保健指導」と今回提供を開始する「はらすまダイエット/生活習慣改善」を、企業の「健康経営」に寄与するクラウド型健康支援サービス「はらすまダイエット」として体系化し、今後、機能の強化やラインナップ拡充を図っていきます。
そして、今後も、IT(情報技術)を活用した医療・健康分野へのソリューション提供を強化していきます。
◎株式会社日立製作所(2013年5月14日発表)
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2013/05/0514.html