株式会社フレンテの事業会社である株式会社フレンテ・インターナショナルは、東海大学医学部感染症研究室 古賀泰裕教授との共同研究した乳酸菌LS1(*1)について、2013年5月30日(木)開催の「プロバイオティクスシンポジウム2013」(日本プロバイオティクス学会主催)にて発表を行いました。
今回の発表において、乳酸菌LS1含有錠菓を服用し、歯肉縁下プラーク中よりL.salivariusが検出された時、歯肉縁下プラーク中の歯周病原細菌P.gingivalis(*2)が有意に減少することが確認されたことに加え、口腔内の治療や清掃を行い、菌数を減少させた後に乳酸菌LS1含有錠菓を服用することにより、効果的に乳酸菌LS1が歯肉縁下プラーク内に定着する可能性が高いことを発表しました。
同社では、今後も歯周病原細菌P.gingivalisを減少される効果のある乳酸菌LS1の口腔内における定着率を向上させ、口腔内環境改善・歯周病予防につながる、プロバイオティクス(*3)を応用した乳酸菌LS1の研究を続けてまいります。
【発表内容】
Lactobacillus salivarius TI2711含有錠菓服用による口腔環境改善効果の検討
松岡隆史(株式会社フレンテ・インターナショナル)
Lactobacillus salivarius TI2711は口腔内のプロバイオティクスとしての機能を持つ乳酸菌である。今回L. salivarius TI2711に加え、口腔内に有用なキシリトール、ハイドロキシアパタイトを配合した錠菓を用いてヒト臨床試験を実施し、有用性を検討した。
服用開始前の時点でL. salivarius が歯肉縁下プラークから検出されない被験者39名に対し、L. salivarius TI2711、キシリトール、ハイドロキシアパタイトを配合した錠菓を12週間連日服用させた。服用開始前、開始4週後、12週後と服用中止4週間後に歯科検診を行い、臨床パラメーターの測定と歯肉縁下プラークの採取を行った。歯肉縁下プラークから細菌DNAを抽出し、Real-time PCRでPorphyromonas gingivalis菌数、L. salivarius菌数を測定した。統計解析は、群内はWillcoxon signed-ranks test、群間はMann-Whitney’s U testを用いた。服用開始4週時点でL. salivariusが検出された群(n=20)と検出されなかった群(n=19)に分けたところ、検出された群では4週から12週の間で、歯肉縁下プラーク中のP.gingivalis菌数は有意に減少していたが、検出されなかった群では有意な増減は見られなかった。また、両群の4週から12週のP.gingivalis菌数変化を比較したところ、両群間で有意差が認められた。以上より、L. salivarius TI2711含有錠菓は、服用後にL. salivarius菌数が増加した場合、口腔内に対して有効であることが示唆された。
(参考)
(*1) 乳酸菌LS1(ラクトバチルス・サリバリウス TI2711)
ヒト口腔内由来の善玉菌で、歯周病菌を抑制する働きがあります。2003年、代表的な歯周病菌であるP. gingivalisを殺菌することを発見して以来、同社では研究を進めてまいりました。
(*2) P. gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス菌)
歯周病を引き起こす代表的な歯周病菌と言われる菌の一つです。今回の臨床試験の結果により、乳酸菌LS1がP. gingivalis菌数の減少を引き起こすことが確認されました。
(*3) プロバイオティクス
乳酸菌やビフィズス菌など、体内で有用な働きをする「善玉菌」のことで、「細菌バランスを改善し、宿主(ヒトなど)に有益な作用をもたらしうる有用な微生物と定義されています。
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◎株式会社フレンテインターナショナル 2013年6月18日発表
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