株式会社東洋新薬は、福岡大学医学部皮膚科学教室 中山樹一郎主任教授らとの共同研究により、『フラバンジェノール®』がステロイド外用療法で生じる副作用を軽減することを臨床試験により検証し、第31回日本美容皮膚科学会学術大会において発表いたしました。
■『フラバンジェノール®』とは
『フラバンジェノール®』とは、フランス南西部ランド地方を主体に植林された海岸松の樹皮から抽出される東洋新薬の独自素材です。オリゴメリック・プロアントシアニジン(OPC)を主成分としたポリフェノールを豊富に含み、抗酸化作用や血流改善作用など様々な生理活性を示すのが特徴です。また近年、美白作用や抗シワ作用が確認され、各分野で注目を集めています。
今回同社は、フラバンジェノール®がステロイド外用療法で生じる皮下出血・皮膚萎縮などの副作用を軽減することを臨床試験により検証し、第31回日本美容皮膚科学会学術大会(2013年8月10日(土)~11日(日)、神戸国際会議場)において発表いたしました。
■研究の背景
ステロイド外用剤は、副腎皮質ホルモンを含む抗炎症剤で湿疹、皮膚炎、蕁麻疹などの様々な皮膚疾患の治療に用いられています。しかし、ステロイド外用剤を長期間継続使用した際に皮下出血〔注(1)〕や皮膚萎縮〔注(2)〕、毛細血管拡張〔注(3)〕などの副作用が生じることが知られています。
同社はこれまでにフラバンジェノール®の血管や皮膚の保護・強化作用に着目し、フラバンジェノール®のステロイド外用剤による副作用軽減作用を動物実験などにより確認してまいりましたが、今回はその効果を臨床試験で検証しました。
■ 発表骨子
皮膚科にてステロイド外用療法を受けており、皮膚科医が皮下出血、皮膚萎縮、毛細血管拡張ありと判定した患者40名を対象に臨床試験を実施しました。
被験者の半数にフラバンジェノール®含有試験食(80mg/日)を2ヶ月間(2ヶ月摂取群)、半数には対照期間として観察期間を1ヶ月間設けた後に、フラバンジェノール®含有試験食を1ヶ月間摂取してもらい(1ヶ月摂取群)、試験開始前、1ヵ月後、2ヵ月後の皮下出血、皮膚萎縮、毛細血管拡張の程度を皮膚科医が観察し、「それらの消退の推移」、「皮膚科医による有効性判定」、「安全性に関する判定」を併せた総合的な有用性判定を行いました。
その結果、観察期間では各症状に大きな変化はありませんでしたが、1ヶ月摂取群の75%、2ヶ月間摂取群の96%で、フラバンジェノール®含有試験食の効果は「著効」または「有用」との結果となり、皮下出血・皮膚萎縮などステロイド外用療法により生じる副作用が軽減される可能性があることが示されました。
東洋新薬は今後もフラバンジェノール®の有用性に関する研究を進め、独自性の高い商品を開発し、より一層の拡販に注力して参ります。
〔注(1)〕皮下出血(紫斑)
毛細血管が脆くなり内出血を起こし、赤紫色の斑状として確認できる状態のこと。
〔注(2)〕皮膚萎縮
皮膚が薄くなることにより、表面にちりめん状の細かいシワがよった状態のこと。
〔注(3)〕毛細血管拡張
皮下の毛細血管が拡張することにより、皮膚の上から赤み(紅斑)として確認できる状態のこと。
※詳細は下記URLをご参照ください
◎株式会社東洋新薬 2013年8月22日発表
http://www.toyoshinyaku.co.jp/weblog/?p=435