オキナワモズク由来フコイダンの製造・販売を行う株式会社サウスプロダクトは、オキナワモズク由来フコイダンで「NK細胞(※1)の活性化(免疫細胞の活性化)」をヒト試験で確認しました。
なお、同研究成果は2021年6月15日に学術誌「Marine Drugs」において「The effect of ingestion of fucoidan derived from Cladosiphon okamuranus Tokida on human NK cells: A randomized, double-blind, parallel-group, placebo-controlled pilot study.」のタイトルで掲載されました(DOI:https://doi.org/10.3390/md19060340)。
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■ フコイダンの機能性におけるこれまでの研究成果
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フコイダンは硫酸化多糖の一種であり、褐藻類と呼ばれる海藻(コンブ、ワカメ、モズクなど)の粘質物に多く含まれる食物繊維です。同研究で用いたフコイダンは、南西諸島だけに生育する固有種のオキナワモズクを原料としています。これまでの研究で、オキナワモズク由来フコイダンには、抗血液凝固作用、抗炎症作用、抗HIV、抗デング熱、抗HTLV-1、抗腫瘍、抗肝炎作用、抗潰瘍作用などの機能性が報告されています。
これまでに同社が行なった研究では、高分子であるオキナワモズク由来フコイダンをヒトの血液および尿中から検出し、フコイダンが腸から吸収されることを明らかにしました。また、モズクの摂取頻度はフコイダンの吸収とヘリコバクターピロリ菌抗体価の陰性化に影響を与えることを報告しました。免疫機能に関しては、オキナワモズク由来フコイダンがマウスの免疫細胞の増殖作用、マクロファージ(※2)貪食作用の活性化、IgG、IgMおよびIgAの抗体(※3)産生の亢進を報告しています。
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■ ヒト試験では初!NK細胞の活性化を確認
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オキナワモズク由来フコイダンの摂取が健常成人のNK細胞に与える影響を評価することを目的に、プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較法を使用して、ヒト試験を行いました。健康な男女にオキナワモズク由来フコイダンを配合した飲料(3g/100ml)と含まない飲料を12週間経口摂取させ、NK細胞の活性化を調べました。
その結果、オキナワモズク由来フコイダンを摂取した被験者でNK細胞の活性化を確認しました。その中でも、男性被験者のNK細胞活性が有意に高くなりました。また、サイトカイン(※4)(IFN-γ)の濃度がオキナワモズク由来フコイダンを摂取した群で増加傾向になったことから、フコイダンによるNK細胞の活性化は、サイトカイン(IFN-γ)などの関与が示唆されました。
オキナワモズクは南西諸島固有種であり沖縄県の主要水産物です。オキナワモズク由来フコイダンの免疫細胞の活性化は、ヒトにおいても確認できました。食生活に取り入れやすいモズクが健康維持の助けになるとともに、沖縄の水産業の発展に繋がることが期待されます。
※1 NK細胞:生体内に侵入した細菌やウイルスなどを直接攻撃するリンパ球の一種。免疫反応の初期段階である自然免疫として働く。
※2 マクロファージ:生体内に侵入した細菌やウイルスなどの異物を取り込んで消化する白血球の一種。NK細胞と同様に、免疫反応の初期段階である自然免疫として働く。
※3 抗体:細菌やウイルスなどの病原体が体内に入った時に、その病原体と特異的に反応する物質。病原体の情報は樹状細胞などが伝達し、その情報を元にB細胞が抗体を作る。免疫反応の後期である獲得免疫として働く。
※4 サイトカイン:細胞間の情報伝達や細胞の増殖、細胞死などの作用を引き起こすタンパク質の一種。免疫細胞を活性化したり、抑制する作用もある。
図. NK細胞活性
フコイダン群では、0週と比較して接種後8週目にNK細胞の活性が有意に亢進しました。
特に、男性被験者でNK細胞の活性化を認めました。
※論文内の図を日本語表記に編集したもの。16週目は休薬期間のためフコイダンは未摂取。
【詳細は下記URLをご参照ください】
・株式会社サウスプロダクト/PRTIMES 2021年7月15日発表
・株式会社サウスプロダクト 公式サイト