長瀬産業株式会社は、出版物や包装材、エレクトロニクス、ヘルスケアなどの分野で事業を展開する大日本印刷株式会社(以下「DNP」)と共同で、化粧品・医薬品に対して、原料やパッケージも含めたライフサイクル全体の GHG 排出量を可視化する、カーボンフットプリント(以下 CFP)(※1)算定コンサルティングサービスの提供を 2023 年 7 月より開始します。
カーボンニュートラル実現に向けて、企業は GHG プロトコルに基づく企業活動全体の GHG 排出量の可視化に加えて、製品やサービス単位の CFP 算定の仕組みづくりを進め、適切な情報開示や GHG 排出量削減の取組みを行うことが求められています。しかし、CFP 算定を適切に行うためには、算定ガイドラインの正確な理解に加えて製品に関する専門的な知識が必要です。また、CFP 削減のためには、サプライチェーン上の各企業が自社で算定した「一次データ」(※2)を共有し、各社の GHG 排出量削減の取り組みをより正確に可視化・反映することが重要です。
そこで同コンサルティングサービスでは、パッケージ製品の原材料調達から製造、廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体の GHG 算定に関して長期にわたり取り組んでいる DNP と、化学系専門商社として培ってきたネットワークやノウハウをもとにサプライヤーや顧客などサプライチェーン全体のGHG 排出量可視化・削減支援を進めている長瀬産業の強みを掛け合わせ、CFP 算定に関する一気通貫したコンサルティング支援を行います。
長瀬産業はこれまで、化学品メーカーに留まらず、塗料や化粧品、アパレル・スポーツ用品、出版印刷、繊維、半導体関連装置などの幅広い業界に対してサプライチェーンの GHG 排出量可視化に取り組んできました。DNP との連携により、原料やパッケージも含めた製品ライフサイクル全体に対する CFP算定支援サービスを高度化させるとともに、双方がこれまで蓄積してきたデータベースを活用することで、顧客の CFP 算定をより効率的に支援することが期待できます。2023 年秋を目安に、化粧品・医薬品業界において協業の取り組みを進めていき、食品業界等、今後 CFP 算定のニーズが拡大する分野にもコンサルティング提案を加速させていくことで、カーボンニュートラル実現を目指していきます。
※1 製品・サービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクルを通して排出される温室効果ガスの排出量
※2 自社または取引先から入手する、企業固有の活動量データ、排出量、あるいは排出原単位