『Health Aid Beauty Aid=美と健康を助ける(HABA)』を展開する株式会社ハーバー研究所は、ビタミンCの肌への効果を探求する中、高濃度ビタミンC誘導体とノイバラ果実エキスの掛け合わせ製剤を用いてヒトの肌に対する変化を検証し、優れた効果を有することを確認しました。同社では、これらの知見を今後の製品開発へ応用していくとのことです。
ビタミンCは、メラニン産生抑制やコラーゲン産生促進といった機能をもつため、シミや毛穴、たるみなどへ働きかけることが期待される多機能な成分です。当社は長年にわたりビタミンCの効能に着目し、製品開発を行ってきました。大人の肌悩みには、乾燥により引き起こされるトラブルと毛穴にまつわる悩みが常にあがっています。同社ではこれらの悩みに対する解決策として、基本的なビタミンCの効能に加え、スキンケアにおいて重要となる保湿力に秀でた「保湿型ビタミンC」の高配合に着目しました。
また、大人の毛穴目立ちの原因を掘り下げていくと、不全角化、乾燥、たるみ等による「毛穴のひらき」と、メラニンの産生亢進による「毛穴の黒ずみ」の影響が大きいと考えられます。同社がこれらの要因に対して効果的な素材を調査した結果、収れん作用(肌をひきしめる作用)や角化調節作用、弾力性向上作用、メラニン産生抑制作用によって毛穴トラブルに多角的にアプローチする「ノイバラ果実エキス」が優れていることを、文献等により確認。この「保湿型ビタミンC」と「ノイバラ果実エキス」を併用することにより、毛穴、くすみ、ハリ不足、乾燥、ゴワつきなどといった大人の肌悩みに対して総合的な効果が得られることが報告されました。
《研究の成果》
~検証方法~
普段、化粧水と乳液のみのシンプルなスキンケアを行っている30~59歳の女性26名を対象に、高濃度ビタミンC誘導体およびノイバラ果実エキスを配合した製剤の半顔連用試験を8週間実施し、毛穴、肌のなめらかさ、水分量、肌のたるみ、効果実感および使用感について各項目を評価しました。
~検証結果~
1.毛穴の改善
専門の訓練を行っている2名の評価者により、肌の目視評価および肌の写真画像を用いた評価を行い、6段階の毛穴スコア(図1)に分類しました。その結果、製剤を使用した部位のスコア平均は、使用前と比較して4週間後および8週間後で有意に減少することを確認しました(表1)。
(図1.毛穴グレードの評価基準※)
※Kim, S. J., et al. “Pore volume is most highly correlated with the visual assessment of skin pores.” Skin Research and Technology 20.4 (2014): 429-434.
(表1.目視評価および画像評価による毛穴スコアの変化)
また、ANTERA 3Dを用いたイメージ解析により、製剤を使用した部位の毛穴の数・面積・体積は、使用前と比較して4週間後および8週間後で有意に減少することを確認しました(図2、3)。
n=26, *:P<0.05
(図2.毛穴の数・面積・体積の変化)
(図3.写真および ANTERA 3D のイメージング解析による毛穴の変化の様子)
2.肌のなめらかさの改善
PRIMOSを用いたイメージ解析により、皮膚の粗さに相関する指標(算術平均粗さRa, 最大高さRmax, 最大山高さRp, 最大谷深さRv, 最大高さ粗さRz)を定量的に評価しました。その結果、製剤を使用した部位の「Ra」「Rmax」「Rv」「Rz」パラメーターは使用前と比較して8週間後で有意に減少し、肌がなめらかになることを確認しました(図4、図5)。
n=26, *:P<0.05
(図4.Ra、Rmax、Rvおよび Rzパラメーターの変化)
(図5.写真および PRIMOS のイメージング解析による肌表面の変化の様子)
3.肌のたるみの改善
F-rayを用いたモアレ効果を応用した三次元表面測定システムにより、顔の凹凸を等高線状に画像化し、たるみを数値化して評価しました。その結果、製剤を使用した部位では使用前と比較して4週間後および8週間後において有意にほほのたるみが改善されることを確認しました(図6、図7)。
(図6.F-ray解析によるたるみの変化の様子)
(図7.たるみ数値の変化)
4.水分量の増加
Corneometerを用いて角層水分量を測定したところ、製剤を使用した部位では使用前と比較して4週間後および8週間後において水分量が有意に増加し、基礎的なスキンケアを行っている人についても肌のうるおいが増加することを確認しました(図8)。
(図8.角層水分量の変化)
5.効果実感および使用感について
連用試験を行った際の肌に対する効果の実感について、5段階(1:全くそう思わない、2: そう思わない、3:どちらともいえない、4:そう思う、5:非常にそう思う)で被験者に評価いただき、4週間および8週間経過時点の各項目に対するポジティブな回答(4、5)の割合をまとめました(表2)。その結果、肌触り、毛穴、うるおい、ハリ感および全体的なコンディションについて高い割合で改善が実感されたという結果が得られました。
(表2.効果実感のアンケート結果)
また、使用感について、5段階 (1:全く良くない/全くそう思わない、2:良くない/そう思わない、3:ふつう/どちらともいえない、4:良い/そう思う、5:とても良い/非常にそう思う)で被験者に評価いただき、8週間経過時点におけるポジティブな回答(4、5)の割合をまとめました(表3)。
ビタミンC高配合製剤は、感触として重くべたつきが感じられる傾向があるものの、今回の製剤では塗り広げやすさや肌への吸収、満足感について高評価が得られました。
(表3.使用感のアンケート結果)
【詳細は下記をご参照ください】
株式会社ハーバー研究所 2023年12月18日発表
株式会社ハーバー研究所 公式HP