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アサイゲルマニウム®(有機ゲルマニウム)は、 免疫細胞を活性化させ、老化赤血球の分解を促進する~体内の酸素運搬機能の向上、及び血圧上昇抑制効果に期待~/株式会社浅井ゲルマニウム研究所

株式会社浅井ゲルマニウム研究所の研究チームは、食品・化粧品原料として使用されるアサイゲルマニウム®(有機ゲルマニウム)が免疫細胞のひとつであるマクロファージの貪食能を高め、血中の老化赤血球の分解を促進させ、それを補うように新しい赤血球が増えることを確認しました。本研究により、アサイゲルマニウムによって生体内で相対的に新しい赤血球が増えることが示唆されるため、体内の酸素運搬機能の向上や血圧上昇抑制に寄与することが期待されます。
本研究成果は、2023年12月3日、欧米英文誌Heliyonにオンライン掲載されました。

 

■研究背景

アサイゲルマニウムを摂取すると、動物やヒトにおいて、糞便の色が黄色に変化することが報告されています。
ラットの試験では、アサイゲルマニウム摂取時に盲腸内容物中において赤血球の分解物であるヘムの代謝色素の増加を確認しており、これが糞便の色に大きく関与しています。
また、赤血球はマクロファージやクッパー細胞といった免疫細胞によって分解されますが、アサイゲルマニウムはマクロファージを活性化することも報告されています。一方で、アサイゲルマニウム摂取後の血液に占める赤血球の割合(ヘマトクリット値)に変化はなく、赤血球の分解系のみならず、造血系にも作用していると考えられるデータも報告されています。

これらの成果をふまえ、本研究ではアサイゲルマニウムがマクロファージを活性化させ、赤血球の分解を促進することの確認、および造血に対する影響について調査しました。

 

■本研究のポイント

・アサイゲルマニウムは、免疫細胞であるマクロファージの貪食能(不必要な物質を処理する能力)を高め、老化赤血球を貪食する作用を促進することを確認しました。
・赤血球が分解されると、一部は色素となり糞便中に排出されます。糞便の色の変化及び色素の量を調べることにより、赤血球の分解が亢進していることを明らかにしました。
・抗酸化能を有する赤血球代謝色素が増えることで、糞便中の抗酸化能が増加することを確認しました。
・生体の恒常性が働き、分解された赤血球を補うように赤血球の産生が高まり、血液中の赤血球量が維持されることを確認しました。

 

■論文掲載

掲載誌:Heliyon
論文名:Organogermanium, Ge-132, promotes the clearance of senescent red blood cells via macrophage-mediated phagocyte activation
著者:Tomoya Takeda ¹,Junya Azumi ¹,Mika Masaki ¹,Takae Nagasawa ¹,Yasuhiro Shimada ¹,Hisashi Aso ²,Takashi Nakamura ¹
所属:1 株式会社浅井ゲルマニウム研究所、2 東北大学大学院農学研究科
URL:https://doi.org/10.1016/j.heliyon.2023.e23296

 

■研究の詳細

1.アサイゲルマニウム(THGP※1)によるマクロファージ※2の貪食能の亢進

アサイゲルマニウムを添加した培地でマクロファージを培養し、異物(緑色蛍光ビーズ)を加えました。その結果、コントロールと比較し、アサイゲルマニウムを添加した培地で培養したマクロファージは、緑色の蛍光が強くなったことから、異物を取り込む量が増加したことが確認できました。(図1A,B)
※1THGP:アサイゲルマニウムの加水分解物の略称
※2マクロファージ:RAW264.7細胞(マウス由来マクロファージ様細胞)を用いた



図1 THGPで処理した時のRAW264.7細胞の貪食能に与える影響

次に、アサイゲルマニウムを添加したマクロファージと添加していないマクロファージに、通常の餌、またはアサイゲルマニウムを添加した餌を4日間与えたマウスそれぞれの赤血球を加えました。

マクロファージが貪食した赤血球数を比較したところ、アサイゲルマニウムを添加したマクロファージで貪食能が高いことを確認しました(図 2A 白無地 vs 緑無地、白斜線 vs 緑斜線)。また、アサイゲルマニウム添加の餌を与えたマウスは、通常の餌を与えたマウスに比べ、マクロファージに食べられる赤血球の数が減少していました(図 2A 白無地 vs 白斜線)。アサイゲルマニウムを与えたマウスでは、生体内の免疫細胞が活性化されたために、マクロファージが貪食する対象である老化赤血球が体内で既に貪食されて少なくなっている可能性を示唆しています。

さらにアサイゲルマニウムをマクロファージに添加し、赤血球の分解によって生じるヘムを代謝する酵素の遺伝子(Hmox-1、Hmox-2)発現にどのような変化があるかを調べました。その結果、図2B、Cに示すように、アサイゲルマニウムによって、ヘム代謝酵素の遺伝子発現が増加することがわかりました。加えて、ヘムを分解する酵素(HMOX-1)のタンパクの発現についても確認したところ、発現量が増加していたことから、アサイゲルマニウムによってマクロファージの貪食能が亢進したことを確認しました。(図2D)



図2 THGP処理によるマクロファージの赤血球貪食・分解能に与える影響

 

2.糞便の色の変化による赤血球分解促進の確認

アサイゲルマニウムは、赤血球に対してマクロファージの貪食能を亢進させたことがわかりましたが、赤血球が分解されたことを裏付けるため、赤血球の分解物について調べました。
赤血球の分解物の一つである色素は、ほとんどが糞便中に排出されます。そこで、アサイゲルマニウムを添加した餌と、添加していない餌を与えたマウスの糞便の色を観察しました。その結果、アサイゲルマニウムを与えたマウスでは、糞便が黄色に変化しました。


図3 通常食とアサイゲルマニウム含有食の糞便の比較写真
(アサイゲルマニウムの摂取により、マウスの糞便の色が黄色に変化したことが窺える)

さらに、糞便中の赤血球由来の代謝色素であるビリルビン、ステルコビリノーゲン、ステルコビリンの量を測定した結果、アサイゲルマニウムを添加した餌を与えたマウスでステルコビリノーゲン、ステルコビリンの増加を確認しました。(図 4A,B)
これらの代謝色素は、抗酸化能を有することが知られていることから、糞便の抗酸化能(ラジカル消去活性)を調べたところ、アサイゲルマニウムを与えたマウスの糞便で有意に増加することを確認しました。(図 4C)



図4 アサイゲルマニウム摂取後の糞便中の赤血球代謝色素の含有量およびラジカル消去能の評価

3.赤血球産生能に与える影響

アサイゲルマニウムを与えたマウスは、赤血球の分解が亢進していると確認されましたが、血液中の赤血球の割合を示すヘマトクリット値を調べたところ、アサイゲルマニウムを与えていないマウスとの差は認められませんでした。(図 5A)
つまり、分解と共に造血能が亢進していると考えられるため、マウスの骨髄細胞の赤芽球※コロニー形成能を調べたところ、アサイゲルマニウム摂取後 4 日目に有意に増加し、7 日目には元の
値に戻ることが確認されました。(図 5B)
※赤芽球:赤血球になる前の細胞

これは、生体の恒常性の働きにより、分解された赤血球を補うように赤血球の産生が高まった後、7日後には赤血球の分解が収束してきたため、元の産生能に戻ったことが示唆されます。
これらの結果から、アサイゲルマニウムを摂取して赤血球の分解が亢進されても、血液中の赤血球量は維持されることが明らかになりました。


図5 ヘマトクリット値の比較評価及び骨髄細胞の赤芽球コロニー形成能の評価

■研究者のコメント:                              株式会社浅井ゲルマニウム研究所 研究部生物室長 武田知也

赤血球は、体全体に酸素を運ぶ重要な細胞です。しかし、常にさまざまなストレスにさらされていて、それにより生化学的、構造的変化を起こし、酸素運搬能等の機能が低下します。特に、加齢により造血機能が低下すると、血液中の老化した赤血球の割合が増加するため、赤血球機能の低下による老人性貧血や血流障害が引き起こされると言われています。

今回の論文では、アサイゲルマニウムの赤血球代謝促進作用が明らかにされ、それらの病気の予防に役立つことや、体内の酸素輸送の改善により、細胞から構成される各臓器が正常に機能し、運動パフォーマンスの向上や疲労回復につながる可能性が示唆されました。また、赤血球の分解で生じた色素は強い抗酸化能を有するため、腸管内での酸化ダメージを抑制し、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患(IBD)を緩和する可能性も期待されます。

 

【詳細は下記をご参照ください】

株式会社浅井ゲルマニウム研究所 2023年12月22日発表
株式会社浅井ゲルマニウム研究所 公式HP

2023年12月27日 14:13

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