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タウリンの美容成分としての働きに新知見、タウリン結晶マイクロニードルの研究開発成果から/コスメディ製薬株式会社

世界で初めて*1マイクロニードル化粧品を製品化、経皮浸透技術の研究を続けるコスメディ製薬株式会社は、タウリン*2を微細な針状に結晶化した「タウリン結晶マイクロニードル(TCMN)」の開発に成功。この研究開発の過程で、タウリンの美容成分としての働きにも新しい知見を得たとのことです。
タウリン結晶マイクロニードルの研究開発成果については、2023年12月5日(火)~7日(木)に埼玉・大宮ソニックシティで開催された「第1回 日本化粧品技術者会 学術大会」において、当社研究開発者2名が口頭とポスターセッションで発表を行っています。

 

同社はこの研究開発で、タウリンの機能性を最大限に引き出し、「肌を元気にする」新しいスキンケアテクノロジーを実現しました。引き続き本研究に取り組むと同時に、製品開発へと応用していくとしています。

 

背景

肌の水分調節やバリア機能を守る、タウリンの働きに注目。


(図1)研究開発成果発表資料

 

栄養ドリンクなどの主成分として多くの商品に使用されているタウリンは、滋養強壮や疲労回復に効果的な栄養素で、生命活動の維持に不可欠なアミノ酸の一種です。2023年秋には米コロンビア大学などの国際研究グループが、タウリンが老化防止に役立つ可能性について論文発表を行い、話題になりました。
同社は元々皮膚に存在するタウリンの働きに注目(図1)。これまでの研究で、タウリンはタイトジャンクション*3強化の役割を果たし、肌の潤いやバリア機能を向上させることが明らかになっていますが、加齢や紫外線のダメージとともに減少してしまうことから、効果的にタウリンを角質層に届けることで「肌を元気にする」スキンケアテクノロジーの研究開発に着手しました。

 

研究開発

タウリンそのものを微細なニードル状に結晶化、「内包する美容成分を肌*4に刺して届ける針にする」という新しい発想。


(図2)研究開発成果発表資料

(図3)研究開発成果発表資料

 

同社は美容成分である水溶性のタウリンそのものを、微細なニードル状に結晶化するという新しい発想でアプローチ、さらに美容成分を内包する溶解型マイクロニードルの独自成形技術を確立しました(図2)。
このタウリン結晶マイクロニードルは、カプセルのように幅広い成分の内包が可能。特に皮膚に浸透しにくい成分であるヒアルロン酸ナトリウムなどの水溶性高分子成分も内包できます(図3)。
さらに試験では、内包された成分の浸透量の向上も確認できました。タウリン結晶マイクロニードルが経皮吸収システムの成分送達デバイスとして有用であること、また美容成分としてのタウリンの新たな働きに知見を得ました。

 

ニードルが角質層に入って素早く溶解。タウリン結晶マイクロニードル自身が美容成分として浸透を促進する動きを確認。


(図4)研究開発成果発表資料

(図5)研究開発成果発表資料

 

タウリン結晶マイクロニードルの皮膚中浸透挙動の試験では、タウリン結晶マイクロニードルが肌*4に入り、肌の水分で素早く溶け出し、浸透する動きが確認できました(図4)。
また、タウリンの皮膚浸透量を評価する試験では、タウリンを通常に塗布したケースとタウリン結晶マイクロニードルで塗布したケースの比較で、マイクロニードル化により浸透量が圧倒的に多くなることを確認しました(図5)。

 

タウリン結晶マイクロニードルへのヒアルロン酸ナトリウム内包で、表皮水分量の向上やシワの改善も確認。


(図6)研究開発成果発表資料

(図7)研究開発成果発表資料

 

ヒアルロン酸ナトリウムは元々皮膚を構成する成分の1つです。多量の水分を保持することが特長で、表皮を柔軟化させることに加えて、保護膜を形成することによる保湿効果がありますが、分子が大きく、肌の深部まで浸透しないという課題もありました。試験結果では、ヒアルロン酸ナトリウムを内包したタウリン結晶マイクロニードルを塗ることで、表皮水分量の向上やシワに顕著な改善を確認しました(図6・図7)。

 

今後の展開

タウリン結晶マイクロニードル(TCMN)の研究開発成果により、美容成分そのものであるタウリンをマイクロニードル製剤とすることで、他の内包する成分も肌※4に届ける、有用な働きをすることを発見しました。さらに同社のマイクロニードル技術に「塗って、刺して、溶けて、浸透する」という、大きな可能性を見出しました。
この研究開発の技術は、安全性や簡便性からも「注射に代わる新技術」として、将来的には医療分野におけるドラッグ・デリバリー・システム(DDS)*5として、アトピー性皮膚炎などにも効果的なアプローチが可能になると考えているとのことです。

今後も新しい発想と高い技術力で、社会の課題を解決するとともに、皆さまの豊かな生活に貢献できる製品やサービスをお届けすると述べています。

 

*1:公益社団法人 日本薬剤学会発行 学会誌「薬剤学」より
*2:タウリン(保湿成分)
*3:皮膚最表面である表皮を構成する顆粒層に存在し、隣接細胞の間隙を埋める細胞間接着因子
*4:角質層まで
*5:薬物を体内の特定の部位に送り届ける技術

【詳細は下記よりご確認いただけます】
コスメディ製薬株式会社 2024年1月23日発表
コスメディ製薬株式会社 公式HP

2024年01月26日 18:55

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