撥水性と防油性を両立したカナダSiltech社の高機能シリコーン添加剤の取扱いをスタート／株式会社GSIクレオス

株式会社ＧＳＩクレオスは、このたびカナダのシリコーンメーカーであるSiltech Corporation（シルテックコーポレーション、以下、Siltech社）の新製品・シリコーンエマルジョン「Siltech® E-2199」の取り扱いを開始いたします。

同社は2017年よりSiltech社製のシリコーン製品の取り扱いを始め、製品の機能性の高さと後述するPFAS規制に伴う代替需要から採用実績を伸ばしてきました。

今回取扱いを開始するシリコーンエマルジョン「Siltech® E-2199」は、Siltech社の架橋用高反応性樹脂（Silmer® Qシリーズ）をベースとした有効成分40 %含有のノニオン系（非イオン系）自己成膜エマルジョンです。従来のシリコーン添加剤と比較して、極めて高い撥水性、防油性、防汚性、離形性を付与できることが特長です。撥水性と防油性を両立するシリコーン添加剤は世界的に見ても稀有であり、コーティング、インキ業界をはじめとしたPFAS規制の影響を受けるお客様のフッ素化合物からの切り替えをサポートいたします。

【PFAS規制とシリコーンについて】

PFASとは有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物を総称したもので、撥水性、防油性の物性を持つことから、金属の表面処理剤や界面活性剤など幅広い用途で使用されてきました。しかし安定性がとても高く、分解されにくいことから、長期にわたり環境中に残留し、食物連鎖を通じて人の健康や動植物の生態に影響を起こしうるとの指摘がされています。現在、欧州でのPFAS規制強化の影響を受けて日本のコーティング業界やインキ業界でもPFASを含む製品への規制がますます厳しくなっており、PFASの代替としてシリコーンが注目されています。

【シリコーンエマルジョン「Siltech® E-2199」の特徴】

Siltech社のシリコーンエマルジョン「Siltech® E-2199」の特徴は以下の4つです。

・極めて高い撥水性
・高い防油性と防汚性
・良好な離形性
・エマルジョン形態

通常、エマルジョンに含まれる乳化剤は撥水性を低減させる傾向にありますが、同製品は塗膜表面に極めて高い撥水性を付与します。図1は、同製品とSiltech社の他のエマルジョン製品を比較し、同製品の撥水性の高さを接触角と滑落角で表したデータです。本製品の接触角は105°で滑落角は20°となっており、高い撥水性を持つことが分かります。

図2では、油汚れ（マスタード）に対する防汚性・防油性を示しており、本製品を使用すると汚れが付着しづらいことが実証されています。

※図1、図2では、それぞれポリウレタンディスパージョンにエマルジョンを2 ％添加したときの比較を行っています。

図1　Siltech® E-2199と他エマルジョンの接触角と滑落角