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幹細胞のエクソソーム分泌量を増やす成分の発見~肌のアンチエイジングに期待~/ロート製薬

ロート製薬株式会社は、「脂肪組織由来間葉系幹細胞」を用いた再生医療研究を進めており、その知見を様々な製品分野に応用しています。脂肪組織由来間葉系幹細胞には、組織の機能を修復させる効果が認められていますが、その要因の一つとして幹細胞より分泌される「エクソソーム」が関与していることが報告されています。

今回の研究では、「グリコーゲンとテトラペプチド-5※」を組み合わせた成分に、脂肪組織由来間葉系幹細胞のエクソソーム量を増加させ、老化した皮膚線維芽細胞へのエクソソーム取り込みを促進する果があることを見出しました。

同研究内容は日本香粧品学会誌 Vol.44(2020)No.3(2020年9月末発刊予定)にて公表予定。

※テトラペプチド-5:同社が独自開発したペプチド。コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン産生促進作用が確認されています。

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■ エクソソームとは
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エクソームとは、細胞から分泌される約50~150nm程度の細胞外小胞であり、細胞間における情報伝達に重要な役割を担うことが明らかとなっています。エクソソームはあらゆる細胞から分泌されることが認められていますが、その性質はエクソソームを分泌する細胞種によって異なることが確認されており、再生医療の分野では幹細胞由来のエクソソームの活用が着目されています。


【図】エクソソームを介した細胞間コミュニケーション

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■ 研究成果のポイント
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◎脂肪組織由来間葉系幹細胞のエクソソーム分泌を促進する成分の特定
◎老化した線維芽細胞におけるエクソソーム取り込み量の低下を確認
◎エクソソームの分泌促進により、老化した線維芽細胞のエクソソーム取り込み量が若い線維芽細胞と同程度まで回復することを確認

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■ 研究の背景
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再生医療分野における幹細胞治療では、その効果の一部を「エクソソーム」が担っていることが報告されています。脂肪組織由来間葉系幹細胞(以下、AdMSC)を用いた幹細胞治療においては細胞増殖促進や創傷治癒効果等の作用が認められていますが、これらの効果もエクソソームによるものであることが最近の研究で明らかとなってきました。そこで今回の研究では、AdMSCより分泌されるエクソソームの量を増やすことで、老化した線維芽細胞内へのエクソソーム取り込みを増進させることを目的としました。

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■ 今後の展望
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同研究成果により、グリコーゲンとテトラペプチド-5の組み合わせがAdMSCより分泌されるエクソソーム量を増加させ、老化した線維芽細胞へのエクソソーム取り込みを促進させることが明らかとなりました。AdMSCより分泌されるエクソソームは様々な効果を有することが明らかとなっているため、その効果を活用した製品開発が期待されます。今後もエクソソームの機能解析やその活用に向けた技術開発を行い、新しいエイジングケアの実現につなげます。

【詳細は下記URLをご参照ください】
ロート製薬株式会社    2020年6月19日発表
ロート製薬株式会社    公式サイト

2020年06月19日 17:47

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