食品工場で廃棄される卵殻膜を発酵でアップサイクル。独自原料をブランドに開放する「1ブランド1原料」構想の第1号
株式会社ベイコスメティックスは、研究開発拠点「東京ラボ」において、食品の製造工程で廃棄される卵殻膜を、酵母の一種であるガラクトミセスで発酵させた独自原料「ガラクトミセス/卵殻膜発酵液(開発名)」を開発いたしました。
ガラクトミセスによる卵殻膜の発酵は、国際的な化粧品成分の名称であるINCI名に該当する登録がなく、世界初の取り組みとなります(※2026年9月時点、同社調べ)。現在INCI名を申請中で、所定の安全性確認を経たうえで、2027年春以降、同社でOEM・ODM製造を行うブランド様へ順次ご提供する予定です。
背景:独自原料は、これまで大手ブランドだけのものでした
化粧品市場では、SNSを起点に成分名が語られる機会が増え、「何が入っているか」がブランド選択の理由として重みを増しています。一方で、自社だけの原料を1品つくろうとすると、開発費・開発期間・最低製造ロットの壁があり、体力のある大手ブランドに限られてきました。
その結果、中堅ブランドやD2Cブランドの多くは、流通している既存原料の組み合わせで差別化するほかなく、「成分で語れる商品」をつくりにくい状況が続いています。同社にも、「他社と同じ原料ではなく、自社ならではの成分で語れる商品をつくりたい」というご相談が数多く寄せられてきました。
そこで同社は、原料開発の負担をブランド側ではなくOEMである同社が引き受け、開発した独自原料をお取引先ブランドに開放するという方針を取ることといたしました。今回の原料は、その第1号にあたります。
開発した原料の概要

1. ガラクトミセスによる卵殻膜の発酵は世界初※
卵殻膜を加水分解した化粧品原料(加水分解卵殻膜)は以前から存在し、日本国内の成分表示名称も整備されています。一方、この卵殻膜をガラクトミセスで発酵させた化粧品原料は、INCI名に該当する登録が確認できませんでした。
※「世界初」は、ガラクトミセスによって卵殻膜を発酵させた化粧品原料としての意味です。2026年9月時点、同社調べ。国際化粧品成分表示名称(INCI名)の登録において、該当する原料が確認できないことを根拠としています。
2. 食品工場で廃棄される卵殻膜のアップサイクル
卵殻膜は、卵の殻と白身のあいだにある薄い膜です。マヨネーズをはじめとする卵加工品の製造工程では、卵殻とともに廃棄されてきました。今回の原料は、この未利用部位を化粧品原料として活用するアップサイクル素材です。
3. 発酵によって、原料に新たな要素を加える
発酵させることで、分子がより細かくなるほか、発酵由来のアミノ酸・有機酸・代謝物などが加わり、単一の抽出物とは異なる複合的な原料として設計できます。卵殻膜はシスチンをはじめ複数のアミノ酸を含む組成を持つことから、スキンケアに加えてヘアケア領域での処方展開も想定しています。
4. 現在のステータスと提供時期
・INCI名:申請中(2026年12月〜2027年1月の取得を見込む)
・国内の成分表示名称:INCI名取得後に申請
・安全性確認:提供開始までに所定の試験を実施
・有用性に関するデータ:現在取得中。結果がまとまり次第、あらためてご報告いたします
・ブランド様への提供開始:2027年春以降を予定
「1ブランド1原料」構想 ― 独自原料を、ブランドの資産にする
今回の原料は、同社が単独で保有して終わりにするものではありません。同社でOEM・ODM製造を行うブランド様に対し、そのブランドの商品として独自原料を打ち出していただける形でご提供します。
・ブランド様は、原料開発の投資と開発期間を負担することなく、独自原料を採用した商品を企画できます
・原料の背景(アップサイクル、発酵、世界初の製法)を、そのままブランドのストーリーとしてお使いいただけます
・商品カテゴリやターゲットに応じて、配合設計は東京ラボが個別に組み立てます
同社では今回の原料に続き、複数の独自原料の開発を進めています。今後も、ブランド様の差別化に直結する原料を継続的に開発してまいります。
開発を担った研究開発拠点「東京ラボ」について


東京ラボは、同社が2025年8月に設立を公表し、同年11月に稼働を開始した研究開発拠点です。2026年7月には現拠点(東京都港区新橋)へ移転し、機能を拡張いたしました。
なぜ、工場ではなく東京にラボを置いたのか
化粧品OEMの研究開発機能は、製造との連続性から工場に併設されるのが一般的です。同社も大阪の同社工場に製造・品質管理の体制を持っています。そのうえで東京にもうひとつラボを構えたのは、ブランド様と同社の営業担当が集まる場所に、処方をつくる人間そのものを置くためです。
製品開発の遅れは、多くの場合、技術ではなく受け渡しの部分で生まれます。ご要望が営業を経由して研究へ伝わるまでの時間、伝わる過程で細部が落ちること、試作品への反応が戻ってくるまでの待ち時間。東京ラボは、この受け渡しの工程をなくすことを目的に設置しました。
東京ラボが担う3つの機能
1. 処方開発 ― お客様ごとのペア担当制
お客様ごとに、営業担当と研究担当を組み合わせて配置しています。研究員は商談や企画のミーティングにも同席し、仕様が固まったあとではなく、「何を売りたいか」を決める段階から関わります。
2. 安定性の作り込み ― 専任担当による全試作品の週次チェック
東京ラボには、試作品の安定性を確認することを専門とする担当者を置いています。すべての試作品を毎週試験にかけ、週に一度レポートが上がる仕組みを運用しています。
化粧品の開発では、使用感や香りが良くても、時間の経過や温度の変化によって分離・変色・においの変化が生じることがあります。これが量産の直前に見つかると、処方のやり直しと発売の延期に直結します。全試作品を継続して観察し続けることで、こうした問題を開発の早い段階で拾い、結果としてブランド様の発売スケジュールを守ることにつなげています。
3. 原料開発 ― 今回新たに加わった機能
化粧品OEMの研究開発は、流通している既存の原料を組み合わせて処方を設計するところまでを担うのが一般的です。東京ラボでは、これに加えて原料そのものの開発に着手いたしました。今回の「ガラクトミセス/卵殻膜発酵液(開発名)」は、その第1号にあたります。
原料開発は、費用と期間がかかるうえ、成果が出る保証がありません。それでも、ブランド様の差別化の起点をつくるために必要な機能と考え、開発にかかる費用と期間を同社が負担する形で取り組んでおります。今回の原料はINCI名の申請段階まで進めており、あわせて第2・第3の原料の開発も並行して進めております。
体制と開発スピード
・経験者中心の陣容:在籍する研究員の半数以上が、化粧品の研究開発における実務経験10年以上です
・試作から改善までのサイクル:試作品へのフィードバックを受けてから改良品をご提出するまでを、原則1週間で回しています(案件の内容により異なります)
ベイコスメティックスとは ― 製造パートナーから「戦略的パートナー」へ
同社は化粧品OEM/ODMメーカーです。商品の企画開発から製造、販路開拓、販売グロース、海外進出まで、ブランド事業のあらゆるフェーズに並走する体制を整えています。
各フェーズにおける取り組み:
| 初回商談 | 仕様の確認だけでなく、事業目標・予算・ターゲットを確認した上で、市場データに基づき最適なカテゴリーや商品戦略をご提案 |
| 企画開発 | 市場動向と販売戦略をセットにした商品設計を行います。化粧品生成AI(約6,000件の処方データ解析)により、最短約5分で処方案をご提示いたします。 |
| 製造工程 | 販促計画に合わせた柔軟なスケジュール調整を行います。什器・容器・化粧箱・デザインまでセットでご提案し、お取引先様の調整工数を削減いたします。 |
| 納品スピード | 2〜3カ月での高速納品を実現しています。自社工場を保有しているため、スピーディーかつ柔軟な対応が可能です。 |
| 販売促進 | 納品後の販売支援まで並走いたします。独自販売メニュー、店頭棚の確保支援、ライブコマースの活用など、次の一手をご提案いたします。 |
| 海外進出 | 書類対応にとどまらず、進出先の選定から現地での展開手法まで一貫してサポートいたします。 |
今後の展望
化粧品OEMの役割を「言われたものをつくる」ことから一歩進め、ブランド様の差別化の起点となる原料そのものを供給する存在へと広げてまいります。今回の原料については、年内を目途に有用性に関するデータの取得を進めており、結果がまとまり次第あらためてご報告いたします。あわせて、第2・第3の独自原料の開発も並行して進めております。













