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大麦若葉エキスでビフィズス菌増殖、酪酸増加作用を確認 /日本薬品開発

青汁メーカーの日本薬品開発株式会社は、神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科佐々木建吾特命准教授との共同研究により、「大麦若葉エキスにヒト腸内のビフィズス菌および酪酸産生菌の増殖を促進し、酪酸を増加させる作用がある」ことを確認しました。

大麦若葉エキスは特徴ある青汁原料として使用されており、これまでにも様々な作用が確認されています。同研究の成果はオンライン科学ジャーナル AMB Express(2019 年 11 月 13 日付)に掲載されました。

D. Sasaki, K. Sasaki, Y. Kadowaki et al. Bifidogenic and butyrogenic effects of young barely leaf extract in an in vitro human colonic microbiota model. AMB Express 9, 182 (2019) doi:10.1186/s13568-019-0911-5

【研究の内容】
大麦若葉エキスのヒト腸内細菌叢に及ぼす影響

(方法)
ヒトの腸内環境を模した培養システム KUHIMM(神戸大学ヒト腸管細菌叢モデル)に、健常人9人の糞便を加え、腸内環境に近い条件で培養した後、培養液から DNA を抽出し 16S rRNA 遺伝子を対象として次世代シーケンサーにて菌叢解析を行いました。培養時に大麦若葉エキスを添加した場合の菌叢と添加しなかった場合の菌叢とを比較することで、大麦若葉エキスの腸内細菌叢に及ぼす効果を解析しました。また同時に培養液中の短鎖脂肪酸の量を測定しました。

(結果)
大麦若葉エキスを添加することにより、
1. ビフィズス菌(Bifidobacterium 属)の割合が増加しました。(図1)

2. 酪酸産生菌(Faecalibacterium 属, Roseburia 属, unclassified Ruminococcaceae 科, Lachnospira属)の割合が増加しました。(図2)

3. 短鎖脂肪酸のうち酪酸の濃度の上昇がみられました。(図3)以上のことから、大麦若葉エキスにはビフィズス菌・酪酸産生菌の増加、酪酸の濃度上昇の作用があることが確認されました。これより大麦若葉エキスには「腸内環境を改善する働き」があると考えられます。

今後とも弊社では、大麦若葉エキスの健康増進作用に関する研究を続けてまいります。

【用語説明】
大麦若葉エキス:イネ科オオムギの若葉の搾汁を噴霧乾燥して得られた粉末。健康食品青汁素材として利用されている。KUHIMM(Kobe University Human Intestinal Microbiota Model):神戸大学ヒト腸管細菌叢モデル。神戸大学により開発されたヒト腸管をシミュレートした in vitro 培養システム。

ビフィズス菌:グラム陽性の偏性嫌気性桿菌。酢酸、乳酸を産生し腸内の pH を低下させることで腸内環境を整える。代表的な善玉菌。

短鎖脂肪酸:腸内細菌による嫌気性発酵で産生される終末代謝産物。酢酸、プロピオン酸、酪酸があ
る。

酪酸:腸内細菌によって産生される短鎖脂肪酸の一つ。腸管上皮細胞のエネルギー源となる他、免疫の調節作用、抗炎症作用、腸管バリア機能の増強効果など健康維持のために重要な働きをしている。

【詳細は下記URLをご参照ください】
日本薬品開発株式会社 2019年12月10日【PDF】発表
日本薬品開発株式会社 公式サイト

2019年12月13日 19:35

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