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美肌タンパクを迅速に測定できる方法の開発に成功/ファンケル

株式会社ファンケルは、肌を解析する独自の測定技術「角層バイオマーカー1)」を手軽にでき、カウンセリングサービスなどに使用することを検討してきました。

その中でこれまで「角層バイオマーカー」の一つであるタンパク「アルギナーゼ 12)」に着目し、簡単に測定できる方法の開発に取り組んでいました。「アルギナーゼ 1」は、肌の酸化ダメージを抑え、シミを防ぐのに重要な役割を持つことから美肌タンパクと言われています。

今回、イムノクロマトグラフィー法 3)を応用して「アルギナーゼ 1」を迅速に測定できる方法を開発し、「角層バイオマーカー」の測定時間を 90 分以上からわずか 5 分に短縮することに成功しました。この技術を用いた新たなカウンセリングサービスを、1 月 21 日(火)にオープンする阪急うめだ本店 7 階の新化粧品売り場「HANKYU BEAUTY MAISON」で開始します。

<開発概要>
■イムノクロマトグラフィー法で角層中の「アルギナーゼ 1」を測定できることを確認
6 種類の濃度が異なる「アルギナーゼ 1」溶液をイムノクロマトグラフィーに浸し、表記された線の濃さを目視で判定しました。その結果、濃度に比例して線が濃くなることが分かりました(図 1A)。さらに、数値測定ができる機器を用いて線の濃さを数値化したところ、従来のELISA法 4)と同様に 10 から 10000ng/mLと広い濃度範囲で数値化ができました。このことから角層中の「アルギナーゼ1」を測定するのに、十分な感度であることを確認しました(図1B)。

<開発の背景と目的>
これまでも「角層バイオマーカー」は、当社の旗艦店である「ファンケル 銀座スクエア」や通信販売などで多くのお客様にご利用いただいております。しかし、「ファンケル 銀座スクエア」では約 1 時間 30 分の測定時間や専門技術者および機器を要すること、通信販売では測定に日数がかかることなどが課題でした。そこで、専門の技術者や機器の必要がなく、どの直営店舗でも手軽で敏速に測定できる方法の開発と導入することを目指してまいりました。


【 用語解説 】
1) 角層バイオマーカー:
頬に貼った 1 枚のテープから取れた角層のタンパクを分析し、一人ひとり異なる肌状態や老化リスクを解析する当社独自の測定技術。現在の肌状態や将来的な肌トラブルを予測するカウンセリングや製品提供に活用。

2) アルギナーゼ 1:
シミの原因となる活性酸素の発生を抑え、メラニン産生が起こらないようにバランスを調整し、シミを防ぐ力があるタンパク。肌表面に多く局在する。身体の炎症時に増加し、正常化させる機能を持つ。当社では、長年研究を行い、[1]紫外線による皮膚の赤み増加を抑制、[2]メラニン刺激因子やコラーゲン分解酵素を抑制、[3]酸化によるバリア機能の低下や炎症の拡大を抑制、の三つの働きについて解明している。

3) イムノクロマトグラフィー法:
抗原抗体反応を利用した検査手法の一種。迅速かつ簡便に検査が行えるため、幅広く応用されている。インフルエンザ診断や妊娠診断、食品アレルギー検査など多くの分野で応用されている。検体がセルロース膜上をゆっくりと流れる性質(毛細管現象)を応用した測定法で、目視により判定することができる。

4) ELISA法
試料中に存在する特定のタンパクを、特異性の高い抗原抗体反応を利用して酵素反応により検出、定量する方法。

【詳細は下記URLをご参照ください】
株式会社ファンケル 2020年1月21日【PDF】発表
株式会社ファンケル 公式サイト

2020年01月21日 11:53

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