スギ花粉に代表される花粉は、花粉症の方が吸引すると、クシャミや鼻水、目のかゆみなどの症状を引き起こすことがあります。花粉症は国民の5~6人に1人が罹患する可能性があるともいわれており、日本の代表的なアレルギー疾患として、その対策が求められています。花粉症の緩和を目的として、生活空間から花粉を簡便に除去する方法が望まれていますが、一般的な粗塵フィルターでは同じ大きさの粉塵や埃と比較すると捕捉が非常に困難でした。
そこで、花粉の捕捉には高性能のHEPAフィルター等が用いられていますが、圧力損失が高く、空気清浄機等の限られた製品への適用にとどまっています。三菱製紙では、一般的な室内空調や加湿器および除湿機等でも使用できる、低圧力損失でありながら花粉の捕捉能力に優れた「花粉バリアフィルター」を開発しました。三菱製紙が長年培った不織布の加工技術を応用し、プレフィルターや中性能フィルターに使用する不織布基材へ特殊粘着加工を施すことで、花粉の捕捉率を飛躍的に向上させました(写真1、2参照)。
「花粉バリアフィルター」のメリットは以下のとおりです。
1.特殊粘着加工は花粉のみならず、粉塵にも効果があります。
2.捕捉した花粉や粉塵を強力に粘着するので、使用時の再飛散やフィルター交換時の脱落を低減できます。
3.捕捉した花粉や粉塵は簡単に水洗でき、繰り返し使用できます。
「花粉バリアフィルター」は、空気清浄機のメインフィルターの上流にプレフィルターとして使用することで、高価なメインフィルターの長寿命化が期待できると考えております。また、三菱製紙の従来技術である抗アレル物質加工と組み合わせることで、アレル物質への効果を高めたフィルターの開発を進めて参ります。
「花粉バリアフィルター」は初年度、家庭用空調機器への採用をご検討いただいております。今後、家庭用空調向けの展開強化と業務用空調や自動車用空調分野への拡大を進め、「花粉バリアフィルター」関連商品の売り上げは3年後に3億円を目指して参ります。
■花粉バリアフィルターの性能評価例
1.ダスト捕捉試験
<測定条件>
風速:0.5m/sec.ダスト散布量:2g
試験ダスト:花粉(スギ花粉 平均粒径20-30μm)
室内砂塵相当(JIS4種 平均粒径7.2-9.2μm)
屋外粉塵相当(JIS15種 平均粒径 主要物質で6.6-8.6μm)
※リリースの詳細は関連資料をご参照ください
【関連資料】
◎リリースURL/PDF
http://www.mpm.co.jp/cnews/pdf/20120925.pdf
◎三菱製紙株式会社:公式サイト
http://www.mpm.co.jp/